コンコン…
病院内のアル部屋をノックする音が聞こえる。 「並木先生、コンバンワ」 返事も聞かずに、病室に入って来たのは、ココの病院の医者で如月 幸春であった。 「如月先生、また来られたのですか?」 病室の主は、小学校の教師で病名を告げられずこの病院に入院している、並木 悟だった。 如月は悟の担当をしている医師だった。悟が入院してから、今までずっと如月は夜になると悟の病室を覗きに来る。 それを悟は、如月は担当の先生だからだと思っているが、どうも如月は違う感情を持っているらしい。
「ハイ。また来ましたv」 「そんなのでお仕事大丈夫なんですか?ただでも、俺に構ってていつも昼間っから怒られてんのに」
悟はもう2週間もこの病院で生活しているので、大分この病院にも慣れて来ているし、如月にも馴れを感じて来ていた。最初の頃は、悟は如月に対し遠慮して、『僕』などと慣れない言葉を発していたが、近頃はもう遠慮無しに『俺』であった。如月も、ソッチの方がリラックス出来ていいと思っているらしい。
「仕事の事は禁句ですよ、並木先生」 苦笑して、如月は言った。悟は「アハハ、そうでした」と笑って返した。 「それで、今日は何のお喋りですか?いつもの愚痴ですか?」 悟は如月に、いつも患者の愚痴を聞かされていた。308号室のおばあさんがガミガミ煩いとか、209号室の患者がいつも文句を付けて来るとか…。その他もあるが…。 まあ、いつもこんな感じな話ばかりであった。だが幸いな事に、この病室は、貸しきり状態で悟と如月だけになっているので誰にも2人の会話は聞かれずに済む。
「並木先生、今日は愚痴じゃないんですv」 如月は、悟が座っているベッドにツカツカ近づいて来た。そして、いつもは話終わってからする深いキスを、如月は悟にした。 「ちょっ!…んんっ、ふっ!」 悟は、行き成りだったので抵抗した。如月は、悟が抵抗を見せると、急いで悟の手を握った。 そして口を離す。 「ハァ…ハァ…、行き成り…何なんですか…センセ…イ」 「もう直ぐ貴方、退院するでしょ?」 確かに如月が言う通り、悟は後1週間で退院する。 「俺が3週間入院するって決めたのは、如月先生でしょう?!」 「う・・・、そうでした。・・・本当に私は馬鹿だ。何で早くに言わなかっんだろう」 「何を?」 上手く如月が言っている意味が掴めなくて、悟は如月に問うた。
「私は貴方に恋してるってことをですよ」
「は?」
一瞬、時が止まった。如月は男だ。悟も男だ。男の如月が、男の悟に恋しているだなんて・・・。 悟は信じられなかった。 「嘘でしょう?先生」
「本当ですよ。出逢った日からずっとです。貴方もトコトン鈍い方ですね。好きでもない相手に、キスなんてすると思います?」 言われてみればそうだと悟は思った。嫌いな相手にキスをするなんて、悟でも考えられない。 だが、悟は自分がどうなのか分からなかった。如月のことは、嫌いと言えば嘘になる。かと言って、好きと言ってもそれが本心なのかは、悟も理解は出来なかった。 「あ、俺・・・は」 「ゆっくりでいんですよ、並木先生」 次の瞬間、如月はその言葉を、言い終わるか終わらないかの内に、悟に覆い被さっていた。
それから、悟は如月に人には見せた事のない姿を晒していた。 「き、如月先生っ!ちょっと待って!」 「おやおや、まだそんなこと言う理性が残っていましたか」 悟は、息を荒くしながら如月の腕を押し戻した。そんな悟の目には、うっすらと涙が溜まっていた。 「そんな可愛いお顔で見つめないで下さい。私の性衝動を余計に煽りますから・・・」 如月は言いながら、既に立ち上がってしまっている悟のモノをキュッと握った。 「ぁうっ!」 悟は、ズボンや下着を全て剥ぎ取られているためか、敏感に反応した。 「もっ、如月先生、ヤダァ・・・」 「分かりましたよ。私もソロソロ限界なんで、貴方の中に入れて宜しいですよね?」 「入れるって何を俺のどこに?!」 悟は恐くなって、如月に訊ねた。 「私のを、貴方のココに」 如月は悟の腰を、浮かせると悟の蕾を弄った。 「ふっ、そんな所、汚・・・い」 「そんなワケない」 如月は、クチュクチュと悟の先走りの液を使って、蕾の内側を指で解した。悟も最初は不快感を訴えていたが、しばらくして如月にある一ヶ所を刺激されると、大きく反応を示した。 「フフ・・・もう指が3本も、入っちゃってますよ?ソロソロいいですね?」 悟の耳元で如月が言った。ゆっくりと如月は、悟の中に自分のソレを挿入した。 「あっ!ううっ!」 意外とスンナリと如月のモノは、悟の中に納まった。 「動いて良いですか?」 如月は、言うが早いか腰を動かした。
「ひあっ、ああっあああっ!」 悟はそれから少しすると、呆気なく達してしまった。それに引き続き、如月も悟の中で果てた。
「凄く気持ちよかったですよ、並木先生v」 2人の息が整うと、如月が切り出した。悟は赤面して、「馬鹿」と言うだけだった。 「私を受け入れてくれたってことは・・・貴方は私のことを・・・好き」 「まだ、分かりません」
「え?」
如月は驚いた。こんなことまで悟は受け入れてくれたのだから、当然悟も自分を好きだと、そう如月は解釈していたからだ。 「すみません。まだ、分からないんです。自分の気持ちが・・・。ここまで俺もしておいてすみません」 「いえ、謝らなくていいですよ先生。私も少々やり過ぎた。ゆっくりでいいです。さっきも言ったように・・・」 悟はソレを聞いて、こう言った。 「でも、如月先生は嫌いじゃないですから!」 如月は、そんな言葉に満足そうに微笑んだ。 「また、退院しても病院に遊びに来て下さいね、絶対」 「あ、それとちょっと教えてほしいことが・・・」 「何です?」
「俺の病名って、結局何なんですか?」 如月は、顔を引きつらせながらも言った。 「じゃあ、コッチも聞きますけど、貴方がこんなに愛しいのは何故?一緒に答えましょう?せぇ~の!!!」
「(病名は)ただの風邪です」 「(俺が愛しいなんて)そんなの知りません」
如月は、その後こっ酷く叱られた。
それから1週間後、悟は退院して行った。だがその後もよく如月に会いに、この病院を尋ねて来ると言う事だ。
END.
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