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 (最強不良輪姦 主従 /18禁)
『王様』


割と悲惨な展開になっています。
※輪姦、無情の苦手な方は注意して下さい。

***


頼られることは嫌いじゃない、
とトート・マグランは自覚していた。
「助けて下さい」
下を向き声を震わせ、
庇護を求めて来たクラスメイトの頭部。
教室は午後の日を浴びている。
放課後の呼び出し。
素知らぬ男達が頭を下げて来た。
「面倒くせぇ」
きっぱりと言ってやる。
「御願いします」
食い下がる向こう。
「何の筋合いがあるんだよ」
「すいません、すいません、
 トートさんだけが頼りなんです、
 御願いします」
「・・・」
相手の必死さに気分を良くし、話を聞く。
男達は涙ながら、地域に纏わる対立で起こった喧嘩のことを話した。
ヴェレノの地は荒れているが発展しており、
フィオーレの地は豊かだがすべてが古くさく遅れていた。
互いにプライドの高い地域であったため、
どちらが勝るかと話し始めれば、自然と対立するのである。
「あいつらヴェレノを汚ぇって・・・!」
「それでかっとなって殴っちまったんです」
「そうしたら奴等ジェキンス族に泣きついて・・・」
「俺達は必ず報復されます・・・!」
「要はフィオーレと揉めたってことだろ、
 説明ぐらい短くまとめて来いよ、うぜぇな」
「すいません」
「つか先に手ぇ出したのはてめぇらかよ」
「・・・すいません」
「最悪だな」
「すいません」
「何頼って来てんだよ」
「すいません」
「俺がヴェレノ出身だからって味方するとでも思ったのか?」
「・・・すいません」
「しょうもねぇ」
「すいません」
「すいませんしか言えねぇのか」
「すいません」
「帰れ」
うんざりと命じれば素直に背を向ける。
ぞろぞろと項垂れて教室を出て行く。
戸が閉まると小さく泣き声が聞こえた。
「・・・」
泣く子には勝てなかった。





「おまえはどんどん逞しくなるね」
「利用されてんだよ」
「都合の良い人間は好かれるよ」
「・・・ヤな理屈だな」
「トート」
名を呼ぶのは催促。
「ん・・・っ」
暗い部屋、白い男、少しの痛み。
「イッ」
「だからゆっくりと降ろしなさいと、
 いつも言っていただろう、大丈夫か?」
「う・・・」
騎乗位に定まったのはいつごろからか。
「ハ・・・ぐ・・・ぅ」
「もう少し色気を出せないのか」
「うるさ・・・っ」
「あぁ、涙はそそるな」
「んっ」
まるで父のように、
日常の報告を聞いてくれる大人を、
手放したくなかった。
それだけの理由では、
まずいので名を呼ぶ。
「グイドっ」
「いつも辛そうだな」
「別に・・・っ」
「ならいいが」
こちらの名を呼び返すこともなく、腰を掴む大人。
「はっ・・・!待っ」
回数をこなし、切れることはなくなったが、
息苦しさや圧迫は健在で、慣れるまでに時間が必要だと、
言い出せぬままにいつも終わる。
「ひっ・・・、あ、アはっ・・・ぅアッ」
嬌声とも取れる呻きを上げ行為に耐え、
次の会話の時を支えに、額から滝のように、溢れる汗に目を瞑る。
「それで喧嘩は引き受けたのか?」
「泣き落とされたんだよ」
「・・・おまえは優しすぎる」
ぐったりと布の上、動き出せるまでに時間の掛かるこちらのため、
どこかへ消えずにいるグイドの存在が眩しい。
優しいという言葉を、迷いなく褒め言葉と取り喜んでいる自分。
愚かだが幸福で、普段の悲しみの相殺に使う。
「向こう、ジェキンス族だっつーから」
「ゴドー候補の寮生か」
「ハンク・ジェキンスと、
 マルクス・フィオーレ・・・、や、
 マルクス・ジェキンス?
 フィオーレからジェキンスに下ったっつー話で・・・」
「おまえはアウレリウスだろう」
「だから頼られた」
「そろそろ規制を入れるべきだろうに、
 フィオーレはどうも考えが古い・・・、
 力を持った人間が、その力を正しく使うとは限らん」
「だよなぁ、俺とか俺とか俺とか」
「自覚はあるのか」
「完全俺ルール・・・、
 自己判断で裁いてる」
「それは酷い話だな、
 殴った人間の数だけ殴った正義があるだろう、
 おまえは優しいがまだ未熟だ、
 その自覚を持って反省する必要がある」
「・・・弱ぇ奴が悪いんだよ、
 庇護欲を煽る奴、
 殴られても殴り返せねぇ奴、
 俺は・・・」
「悪くない?」
「悪くねぇな」
「嫌な奴だ」
「・・・」
笑み。黙ったトートに向けれられた微笑。
グイドの白く儚げな顔に、それが乗ると美をつくる。
会話の進みを止めて黙ったのは、見惚れたためだった。
胸を騒がされるのはいつもこちらばかりで、
不安は色濃く具体化されて来る。
トートの面は整ってはいたが、圧倒する力がない。
一方でグイドの意地の悪い微笑は、
悪魔的な色香を持ち人を酔わせる。
惹きつけ勝負は毎度、向こうに分をつけ終わる。
「では、また呼ぶよ、トート」
「・・・」
別れ際の一言、それに安心をもらうしかない立場。
決して崩したくない関係の危うさに、
出そうになった溜息を飲み込み、口端を上げる。
「来ねぇかもな」
せめてもの反逆に心地よさと後悔を覚えながら退室する、
まったく心の揺らいだ様子のないグイドの笑みが、
最後に見えたことを記憶から消したかった。





朝。
「うわぁ、めんどくさい」
問題のジェキンス族、
二人組みの元に足を運び、
思い切り顔を顰められた。
「王様のおでましか」
陰口が飛び出す。久しぶりに罵倒され口端を上げる。
「身に余る呼び名だな?」
「気に入ってるみたいだが」
トートの顔を見てすぐ、回れ右をして去ろうとした優男、
恐らくハンク・ジェキンスだろう泣き黒子の男の、
腕を掴み挑戦的な笑みを浮かべたのはマルクス・フィオーレか。
噂を頼りにあたりをつけて行く。
もやの残る森は冷えており、
人の通りが少ない。
「どうせ暴君だって言いてぇんだろ」
「まぁ、・・・絶対王政ではあるな」
「恐怖政治?」
「わからん、俺は割とおまえを評価していたからな」
「お前等が怖くてしょうがねぇって奴等が、
 俺のとこに来たんだよ、観念しろ」
「安請け合いばっかしてると身がもたないよ」
「ご心配どうも」
「二対一でいいの?」
「一対一にしてくれんのか?」
「ゴドー舐めないでくれる?」
「王様だしな」
きっかけは被差別者。
気まぐれに助け、噂が広まる。
弱者は常に味方を探していた。
「俺が先に行こう」
「おい、まじでおまえら一人ずつ来んのか?!」
「だから・・・ゴドーを舐めるな」
「舐めちゃいねぇけどよ・・・」
向こうの足の浮き上がりを、見逃さず深く沈み、
その足首を掴む。
「っ・・・!!」
浮きかけた身体が、重力に任せて落ちる前に、
胸にできるだけの衝撃の掛かるよう、蹴りを入れ、飛ばす。
吹っ飛んだものの、起き上がるところが玄人だった。
「げほっ・・・う゛っ・・・」
ふらついて咽る。だが睨みを利かせて来る。
この不思議な感覚に少しの高揚を覚えた。
「ぉ・・・!戦闘!」
感銘を受け呟く。
「マルクス・フィオーレ!君の死は無駄にしない!」
そこでふざけた掛け声と共に、
マルクスの攻撃よりいくらか鋭い、
ハンクの肘の攻撃が首元に迫った。
ぎりぎりで避け髪を掴む。
そのまま地に向かい降ろす。
「っ・・・!」
我ながら容赦がない。加減の余裕がなかった。
その事実に鳥肌が立った。
「おまえら、強っ・・・」
「・・・」
「・・・」
痛みを堪えた顔が、白々しくこちらを向く。
「暗殺されてしまえ」
「革命起きればいいのに」
「おまえらなら起せるんじゃねぇか?」
「・・・」
「・・・」
グイドへの興味の他、
自分に向く関心に応える程度であった心が、
初めて高鳴る。
「おまえら、クラスどこだよ?」
「教えるわけがない」
「屋上からちょっと飛んだトコらへんだよ」
「・・・」
どうも嫌われたらしい。
ハンクの遠まわしな罵倒に顔を顰める。
好かれたい人間に、どうすれば好かれるのか。
「あ、なんつーか、おまえら、
 泣けば条件同じになるから、
 もう酷ぇことしねぇけど」
「・・・」
「・・・」
「これ以上、争うの、嫌だと思って」
「・・・」
ハンクの笑顔が消え、マルクスの目が据わる。
怒らせたらしい。
「王よ」
「・・・あ?」
「・・・俺はおまえを買いかぶっていたようだな」
「・・・」
「人を侮辱して楽しむ趣味を持つ男が、
 まともに人と付き合って行けると思うな、
 おまえは一生誰にも愛されず死ねばいい」
「酷ぇ!」
咄嗟に、軽く応えたが浮かべた笑みは硬かった。
「行くぞ」
「・・・はーい」
「あ、おい・・・!」
クラスを。
教えてくれとはもう言えない。
二人の反感は寂しかった。





「グイド!」
純粋に、言葉が欲しかったため、
呼ばれてもいない日に、
顔を出した過ち。
「誰だ?」
「あ?!」
本の溢れる、部屋に押しかけて鉢合わせたのは、
フィオーレの次期当主となるらしい小さな客だった。
時折グイドの元を、尋ねに来るフィオーレの当主に着いてやって来て、
今では一人で顔を出す。ルカス・フィオーレ。思い出した名をすぐに忘れたくなった。
何よりも消し去りたい事実は、眠ったグイドをトートは初めて見たということ。
ルカスはそのグイドの膝に乗り、驚いた顔をしている。
「ヴェレノ・・・!来た、人だ、おまえを呼んで・・・っ」
椅子に座ったまま、安心をしきった表情のグイドへ、
声を掛ける客をぼんやりと見つめる。
全身が悟り、叫ぶ敗北感が痛む。
「降りろよ」
頼むように呟くと、ルカスはきょとんとした。
「何だ、よく聞こえなかった、もう一度言ってくれ」
「その人から、離れて欲しいんだよ」
「・・・それは、できない」
怒りというよりは恐怖で、ゆっくりと近づき、
客の腕をつかむ。
「力づくか?」
「・・・っ」
的確な言葉に、力が抜ける。
急激に押し寄せた自己嫌悪が立ち眩みを起し、
トートを地にへばらせる。
「私は怪しい人間ではない、
 君の主人の膝に居るのは、
 これは、この人の許しを得てのことだ、
 降りないのは私の我侭だ、
 許して欲しい」
「・・・」
ルカスへの、謝罪を理性が、罵倒を感情が望み、
迷っているうちに冷たい声が降った。
「酷い殺気だったな」
何時の間にか目を覚ました、グイドの目が怒りを宿し、
トートを見下ろしていた。
「呼んだ覚えがない」
「会いたかった」
「・・・迷惑だ」
グイドは吐き捨てると、ゆっくりとルカスを降ろし、
トートの肩に手を置いた。
力が込められ、立ち上がることを促される。
本能的に唇が震えた。
いつも行為をする、その一つ前の部屋に連れられ、
叩かれる。
「妬いていたのか」
「・・・」
「相手は子どもだぞ」
「殺す気なんかなかったし、
 乱暴も・・・しなかった」
「だがしそうだった」
「・・・」
「私を独占したいのか」
「・・・したい」
「迷惑だ」
「俺は、あんたが好きだ」
「私にとっておまえは玩具だ」
「・・・」
「気持ちが悪いだろう、
 物に執着をされたら」
「・・・」
「困るだろう、そういう、感情を向けられたら」
「・・・」
「おまえは見栄えはいいが可愛げも色気もない、
 少し鍛え直されて来てくれないか」
「鍛え・・・」
「最初は見ていてやる」
手を繋がれまた移動。
本に埋もれたルカスの元に戻り、グイドは何事か囁くと微笑み、
その場を通り過ぎる。
こんな事態の中、繋いだ手の感触に喜んでいる己は心底間抜けだった。
階を下り階を下り、静かな白い廊下を進む。地下に居るらしい。
何時の間にかグイドの横を、兵士が二人歩いている。危険な場なのだ。
着いた部屋の中は雑然としており、死体の一つでもあるだろう山が、
いくつも積み上がり妙な臭いをさせていた。
「喚起」
グイドの指示に、部屋に居た人間の一人がばたばたと動く。
「好きにしろ」
放られた瞬間に悟ったのは力の限界。
グイドの瞳はトートの、抵抗を望んでいなかったのだ。
力はあるが、使うことができない。
その場に居たうち、四人が興味半分に、
トートを押さえつけ顔を覗き込んでくる。
「いけるな」
「俺も」
「いけるいける」
「いんすか?」
グイドに伺いを立てながら、
散らかった場を少し片付ける。
人を転がすことのできる程。
「っ」
手が出たのは仕方がない。
確かな手ごたえがしたのに、気絶させることができなかった。
動揺していたため、力の込め方が悪かったのだろう。
「放せっ・・・」
「トート!」
「・・・っ」
切れ良く耳に届いた、グイドの叱るような声に驚いて動きを止める。
「痛っ?!」
「何だ何使った?」
トートの身を案じてではなく、薬品が惜しくて、
トートを押さえつけていた一人が問う。
「筋肉弛緩系の・・・安いのだ安いの」
「何だ」
ただでさえ四方から、押さえ込まれ身動きのできない身体は、
すでにシャツの内側に、忍び込んだ手を払えなくなっている。
効き目が早いのか、それとも元から、そこまで、
自分に力がなかったのか。
「んっ・・・ん・・・」
「はは、すげ、こいつ玄人」
部屋に居た数人は初めこそ黙っていたが、
トートを押さえつけ、下半身を剥き、その場所を弄り出して興奮して来たらしい。
荒い息遣いは純粋に恐怖だった。
「グイ・・・ド・・・っ」
呼んでみたが返事はない、後ろから弄られている胸の飾りが、
トートに快楽を運んで来ていた。
「う・・・ぁっ・・・あは・・・ぅ、んっ」
行為に慣れた身体は、恐らく獲物を甚振り慣れているのだろう男達の、
愛撫に喜んでいた。
「イッ・・・はぁっ・・・やぁ、アッ」
泣き叫びたかったが、それはあまりに無様だった。
「やめっ・・・やめろ・・・や」
小さく出る悲鳴には、何の破壊力もなく、
潤滑油にぬるついた秘部は勢い良く、男のいちもつを食らった。
「っふ、・・・ぅ・・・う」
涙が溢れ、それが色気を生んだのか、
髪をつかまれもう一つ、口に咥え込まされ、
それを吐き出そうと舌を動かした瞬間、
体内に挿し込まれていたものが動き出す。
「ん・・・っ、ぐ・・・んんっ・・・ん」
快楽で意識が白むたびに、己が玩具として育ってしまうような気がして、
グイドという人間から、ますます離れられなくなるのだろうと恐怖した。
「玄人すぎてつまんねぇんだけど」
「こう淡々とこなされるとな」
男達の会話に、行為の終わりを察知し喜ぶ。
「ぅあっ・・・あっ・・・ああ・・・あ」
獣のような体勢で、突かれて只管鳴きわめきながら、
何を間違えたのかを考えたが、答えは見つからなかった。
グイドの存在を確かめる余裕がない。
「グイド・・・」
呼んでみて、やはり答えがないので視線をやる。いなかった。
「なぁ、おまえ、悪いことは言わねぇよ、
 さっさと姿消しとけ、
 せっかくあの人の興味が移ったんだ」
「っんぁ!」
姿を消せと言って、何度目かの挿入をして来た男を睨む。
「や、俺等が出し終わってからの話な」
「ふざ・・・あぁっ」
「せっかく色気出て来たってのにな、見てりゃ楽しかったろうによ」
「撮っとくか?」
「・・・め、やぁっ・・・ぁう・・・はぁ」
「あ?何だよ言いたいことあんならはっきり言え」
「ああ・・・っ、あ・・・」
口を利きながら、男はトートの内部に射精し、
トートの返事を封じる。
「・・・殺、して、・・・やるっ」
「冗談だ冗談」
「ッは、・・・、笑、えねぇ・・・あ」
「笑ってんじゃねぇか」
決して楽しくはない。身体は感覚がおかしく、
心は痛みがありすぎて、混乱している。
「んっん・・・!ぁぁ、んっ・・・」
再び吐き出されてそれが最後、やっと終わったものの、
後には片付けが待っている。
すぐに掻き出さなければ、明日、欠席することになる。





「・・・」
「げっ」
前後で揃っている、マルクスとハンクの席。
ふらふらとはしていたが、幸い行為に慣れた身体は、
歩くだけの力をトートに残していた。疲れによる熱だけを乗り越えればどうにかなる。
考えて登校したのが運の尽きだった。体調は悪化し、保健室行きとなり、
さらに、熱は誰がどう考えてもおかしな行動を、今、トートに取らせていた。
「マルクス・フィオーレ、ハンク・ジェキンス・・・」
保健室に行く途中の、授業中の教室に、その姿を見つけただけ。
クラスを確認し、通り過ぎれば良いものを、
二人の元へふらふらと、近づいて行った馬鹿殿を、誰が止められようか。
「王よ、授業中の訪問はご遠慮願いたい」
マルクスの冗談にクラス内が放心した状態からやっと、
くすくすと笑い出すレベルへと解れた。
「っ」
失った、大きなものの存在が、
ここに来てやっと感じられた不思議。
グイド一つだけの世界に、小さな、マルクスとハンクという穴ができた。
この穴に今は、縋るしかなかった。
「っふ、ぅ・・・」
「おい・・・?」
二人の下に行き着き、ぼんやりと、
泣き出したトートに一番に困った上、
慌てたのはマルクスだった。
「うわぁ、マルクスの男泣かせ!」
ハンクは我関せずとコメントをし、
にこにこと事態を見守る姿勢を取った。
「おい、王よ、ここではまずい、
 おまえの名誉のためにも!」
「っ・・・」
鼻を啜り上げた顔が、
間抜けだったのかマルクスは笑った。
「何だその顔は!真っ赤だな?」
「う・・・」
慌てて下を向き、ふらつく。
「まったく、今更恥じても遅いぞ、
 情けのない奴め、男が涙を・・・」
マルクスの言葉を遮るよう、
膝をつくとさすがにマルクスは事態を悟った。
「何だ、おまえ・・・具合が悪いのか?!」
「・・・悪い」
「っ、なっ・・・、なら保健室だろう、
 おい、立て、しっかりしろ」
「おまえらのクラス、Dだったのか・・・」
「うわ、ばれた!」
「ハンク、手伝え」
「はいはい」
「・・・おまえらが、好きだ」
朦朧とした告白。
「聞こえんな」
「うん、聞こえない」
正直な、気持ちだったというのに流される。
「あ、ちょっと・・・?」
「彼を保健室に運んできます」
「うん・・・」
教師は取り敢えず成り行きに任せようと結論を出し、
マルクスとハンクがトートを運ぶため出てゆくのを許した。
翌日から、王の敗北の噂が広まったが、
トートの体調の回復と共に取り消され、
マルクスとハンクが大臣の陰口を叩かれ始めた頃、
トートの元にはグイドからまた呼び出しが掛かった。








作者のホームページへ「サイトでは彼のその後などを書いています。」
...2008/9/8(月) [No.442]
むー
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