無断転載禁止 / reproduction prohibited.
 (お洒落なオタク×ツンデレ/高校生//--)
オタクより愛を込めて



「SKN て何か分かる?」


「…ネトゲ?俺オタクじゃないからわかんないんだけど…お前と一緒にしないで
廃人予備軍」


冷めた口調で俺に酷い事を言う男
こいつは俺の彼氏


誰が、廃人予備軍だ失礼な
こうして、学校にも着てるし、休日には出かけるし、バイトだってしてる
愛読書は、BiD○Nだぞ?ア○メージュは卒業したんだからな!!


オタク要素は満載だが、最近はマシになったほうなんだ



「「S」そんなの「K」関係「N」ねぇ。て知らない?小島よ○おのギャグ
頭文字とって、SKNて言うらしいよー結構有名らしんだけど、知らないんだ」


馬鹿にしたように言ったのに、哀れんだ目で見られた
なんだ、俺そんなに可笑しいのかよ
てか、お前失礼だよ



仮にも…恋人だぞ
その視線は酷い
扱いも酷いが



「…お前、そんなこと覚える前にさ、もっと大事なこと覚えろよ
只でさえ、脳の記憶容量少ないんだからな
大事に使え、単語の一つでも覚えろ、アニキャラの名前を寝言で呟くな」



俺、どんだけ可哀想な子扱いなんだろう
『脳の記憶容量少ない』て…お前は俺の何を知っている



いや、そんなことより気になる単語はほかにあった
まさか、まさか、まさか


「アニキャラの名前…呟いた?」



「ああ、正直…引いた」




彼氏の、本気で引いてる顔
もう、何度見ただろうか…ああ、日差しが眩しいな
こんな日に高校に来て大人しく席に座って、彼氏に引かれるなんて…俺って…滅茶苦茶
可哀想じゃねぇ?!


可哀想だよな、可哀想だよ、誰か助けろよ
まじ、助けてください






「お前、分かる?
朝早く目が覚めた、恋人の寝顔を見ていた、恋人がもぞっと動いた、何かを言った
俺の名前か?聞き取って見ると…アニメキャラの名前だ
しかも…男キャラだ。なんだ?嫌がらせか

おかげで、一気に萎えた
目も冷めた
そして、絶望した!!この世に絶望した。お前に絶望したよ」




「…絶○先生かよ…お前は」


あまりに高らかに絶望を宣言するその姿は、まさしく…今俺がはまっている漫画のキャラクター
そのものだっ
お願いだ、コスプレしてくれ
お前なら…絶対に似合うから、その姿をカメラに収め冴えてくれ



「糸○ 望てなぁ、お前言ったんだよ。その後に『絶○先生…大好き』てなぁ
それを聞いたときの俺の心境分かるか?
いや…お前ごときにわかって堪るかぁぁぁぁぁぁぁ」



おお、そのテンションは銀○
いやいや、そろそろ止まれ俺の思考
オタク一直線じゃねぇか…まぁ、高校生の多くはマ○ジンもジャ○プ読んでるよな
まだ、大丈夫だ、大丈夫




騒がしい教室の中では、俺たちの会話なんて誰も聞いては居ない
聞いていたとしても、『またか』程度で流されるのがオチだ


そうだよなぁ
週3くらいのペースでこれだもんなぁ…慣れて当たり前か


すみません、善良なクラスの皆様
俺たちは、ホモカポーでなおかつ俺は…オタクです


漫画、アニメ、ネトゲ大好きです
すみません
でも、大好きなんです



それ以上に、好きなのは俺の前に居る奴なんだけどさ



「お前ごときに、俺の苦しみが分かるものか
わかって堪るか…ああ、この苦しみを分かる奴は…どこかに居ないか
どこか、俺の苦しみを理解してくれる奴は…」


自分の彼氏だが、こいつも結構いっちゃってると思う。
だって、昼ドラオタクだし…



本人に『昼オタ』っていうと、殴られるから滅多にいわないけどさぁ
ドロドロした話しかして無いじゃん?昼ドラって
面白いけどさぁ…何気に俺も昼ドラ滅茶苦茶見るしさぁ


面白いけど…何も考えないでさらっと見れるアニメのほうが良いと思う
そう思うのは、俺だけか?




「まぁ…落ち着いてください、あ、ジュースでもどうぞ」


俺は紙パックジュースを彼氏に差し出した
本当は自分が飲もうと思って買ったんだけど…こいつが落ち着いてくれるならそれで良い


だって、なだめるの大変だし
90円で静かになったら万々歳じゃん?



「たく、なんでお前なんだよ」


俺からジュースを受け取って飲む姿さえも、カッコいいぜ
流石、俺の彼氏



出来ればコスプレしてくれ、俺のために
一緒にコミケ行こう
夏のコミケは良いぞ、最高なんだぞ、この良さを俺はお前に伝えたいよ



すべすべの肌理の細かい肌、さらさらの綺麗な髪、すっと通った鼻筋、桜色の唇、切れ長の二重
最高だよ、お前は最高の男だ



だから…だから、だから


「コスプレしてくれ」


「はぁ?…お前はいきなり何言うんだ」


呆れ顔で俺を見る姿も良いぜ
お前なら、どんなコスだって似合う



「絶対、綺麗な男キャラが似合うと思うんだよな、だから…してください。
合わせしませんか、しましょうよ、しますよね?
衣装用意するんで、お願いします」


お前のためなら、夜なべしてでも衣装用意するよ
お前に合わせた衣装を着て、二人で写真取ろうぜ


絶対俺たち大人気だって
みんな『きゃーカッコいい』『写真良いですか』『サイトにUPしてもいいですか』
『名前なんていうんですか』『メアド教えてください』て言われまくるよ


俺ら絶対もてるって!!





「俺…もう…ヤダ、お前と付き合っていくの」


涙目になったその情けない表情もいい
最高だ、萌だ…写メ撮りてぇ…待ち受けに設定したいくらい萌だ!!
萌天使光臨



「お前…オタク度加速していく一方だし…俺達あわねぇよ
俺、どんなに頑張ってもお前のこと理解できないし…何がそんなに良いのかわかんねぇし」




ああ、もうダメだ
可愛すぎる、何この人…ツンデレ?デレツン?さっきまでの強気な態度は何処にいったの
ヤベェ…可愛い



何で、こんなに可愛いの
可愛すぎるよ



「別れるなんていわないでよ…

俺、確かにオタクだし、多分死ぬまでオタク度は抜けないと思うけど…
出来るだけ、留める様にしてるし…ファッション誌よんでお洒落にも気を使ってんでしょ?

この髪型、毎朝40分も掛かってんだよ
朝シャンだってするし、化粧水で肌のコンディション整えるし、健康にだって気を使うし
常に、お洒落に気を使ってるし…


全部、お前のためじゃん
お前が『オタクは嫌だ』っていうから頑張ってるでしょ?
中身は替えられないけど、お前が望むなら…頑張るからさぁ」



俺、ものすごく頑張ってるんだよ
オタク時間も減ったし

お金の使い方だって、大きく代わった、今までは漫画、雑誌、ゲーム、グッツ、DVD,CDなんかに
消えていったお金だって…今じゃ服や、化粧水、美容室代、なんかお洒落用品に消えていくんだよ


俺がこんなにも頑張るのは、全部お前のためじゃん







「…ばぁーか、じゃあもっと、もっと、もっと、カッコよくなりやがれ」


顔を真っ赤にして、俺の額に物凄く痛いデコピンをして、あいつは凄い勢いで教室から
走り張っていった



「イッテェェ…」


あいつのデコピンは後から痛みがジンジンくる恐ろしい攻撃だ
全く…照れ隠しはもっと可愛く…


いや、今のも十分可愛かったなぁ
顔が真っ赤でさぁ耳まで赤かったよ…ああ、可愛い、萌だ














「神田…お前本気でオタクやめたら?」


俺達の関係を把握しながらも、引かないでいつも傍観している友人が呆れた顔で話しかけてくる


なんで、どいつも、こいつも呆れた表情なんだよ
俺は、どんだけ可哀想なんだよ
別に良いけどさぁ


「無理、無理、俺の生きがいパート2だから

もちろん、パート1は、あいつだけどね、んじゃ、追いかけてくるから後はよろしく☆」


「へいへい、行ってらっいせぇー」


やる気の無い見送りの言葉を背に、俺はあいつが居るであろう旧校舎に向かう。



俺が廊下を歩けば、女子生徒が熱い視線を送ってくるが、そんなことに優越感を感じない
あいつさえ俺を見てくれれば十分



あいつが望んでもオタクはやめられないけど、出来るだけお前の望む形に近づくよ
俺がこんなにも頑張るのは、お前だからな



わかってるのかよ






立ち入り禁止である旧校舎の美術室に入り込んで、机の上に座っているであろう恋人を思い浮かべ
俺は頬が緩む



喉は渇いてるだろうから、自販機で何か飲み物を買っていこう
そして、照れている恋人に優しいキスをしよう




お前を甘やかせるのは、この俺だけの特権だからね



■あとがき■
…オタク攻め?
オタク×ツンデレなんでしょうか…ツンデレ難しいね
私の中のツンデレは『べ…別に、お前のこと待ってたわけじゃねぇから、誤解すんなよ、
誤解とか…迷惑なんだからな。偶然だからな!!』とか言って待ち伏せ(笑)
すみません、絶○先生、銀○とか…超私のシュミです。
今考えたら、テニスの王○様でもよかったなぁ…とか思いました。





作者のホームページへ「サイト内にある短編を引っ張ってきました。お目汚しスミマセン」
...2008/6/2(月) [No.429]
あんみつ
No. Pass
>>back

無断転載禁止 / Korea
The ban on unapproved reproduction.
著作権はそれぞれの作者に帰属します

* Rainbow's xxx v1.1201 *