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 (切ない 悲恋 大人/15禁)
海に沈む月7~完


7.  浜野菊の季節に


季節は、夏を迎えていた。
伊崎の日常も、この季節のように、熱く胸を焼いた。週末になると恋人に会いに、平塚へ。
職業柄、休みがずれることもあったが、それでも休みがとれると必ず響に会いに行った。
あの浜辺で、静かに待っていてくれる、愛しい人に。



その日も、朝からPCを立ち上げ「凪」をチェック。
「そうか…、寂しいんだな。明日、会いに行くから…」
独り言をつぶやき、PCの電源を落とす。
最近、伊崎は「凪」の写真から響の心情を読み取るようになっていた。
嬉しい時は、晴れ渡った空をバックの清清しい「凪」。
悲しい時は、曇天の。寂しい時は夕暮れに朱に染まる「凪」。
響らしい、意思表示であった。連絡手段を持たない2人の意思の疎通。
伊崎は、響に言ったことがあった。サイトに掲示板かブログをつけないか、と。
入院中の響には携帯電話などない。かといって、病院に電話して呼び出すわけにもいかない。
せめてサイト内で言葉のやり取りがしたかった。
しかし、響はやんわりと拒絶した。
「僕らのやりとりを、人に見られたくない。
…それに、何があっても、貴方を信じている。僕は、ただ待っているだけ」
伊崎はそれ以上、強要することはしなかった。いや、できなかったのかもしれない。
響のゆるぎない愛情。響の表情が、それを物語っていたから。



伊崎の病院での取材は、週刊誌の特集記事として掲載されていた。
響の病症と日常を書いたものだが、彼が未成年者の為、写真を載せる事はしなかったし、名前も伏せた。
もちろん、自分との関わりを書くことも出来ないので脚色を加えて記事にした。
ノンフィクション作家を目指しているなど、聞いてあきれると自嘲気味の伊崎であったが。
しかし、思いの外、評判が良かった。以前より、レベルの高い仕事が入るようになった。
響との出会いが、仕事を増やし…結果、休みを減らす。皮肉なものだ。
伊崎が出勤すると、編集長に呼ばれた。
「え?…中東…ですか?」
「ああ、危険な仕事だが。どうだ?やってみないか?」
「…それは、願ってもない話ですが」
「じゃぁ、了解したととってもいいな。早速、来週には発ってくれ」
「はい…」
仕事を評価されるのは、男として名誉な事だ。だが…
(響に…話さなくてはな…)
急な話で、心の準備が出来ないでいる。仕事も大事だが、響に会えなくなる事が気がかりな伊崎であった。
(あの話、してみるか)
明日は土曜日。平塚へ、響のもとに向かう。
伊崎はある決意を胸に秘めていた。




浜辺には薄紫の儚げな花が所々、群生していた。
「浜野菊」というらしい。響が教えてくれた。夏の間、砂浜に咲くのだと。
花弁は少ない。決して華やかな植物ではなかったが、伊崎はこの花を響のようだと思った。
そんな、浜野菊の砂浜に、響はひっそりと伊崎を待って佇んでいた。
もう、見慣れた光景。いつも、響はこうやって待っていてくれる。
「ただいま、響」
「…おかえりなさい」
そんな挨拶を交わす。伊崎にとって、ここが、響が帰るべき場所になっている。
「響…行こう」
響の手を引き、歩き出す。2人の、秘密基地へ。
このところ、海水浴客が増えてきていた。ここは、あまり海水浴に適した海岸ではなかった。
遠浅ではあるものの、海流が意外に激しい。遊泳禁止区域が多いのだ。
そのせいか、海の家などは皆無。伊崎たちにとっては好都合の、静かな浜辺だ。
だが、それでも地元の子供や保護者が遊びにやってくる。
2人が睦みあうには、騒がしすぎる。だから、あそこへ…。
あの洞窟は、夏なのにひんやりとして心地よい。誰にも知られていないから、2人はそこで愛を確かめ合った。
肌を、心を触れ合わせる。時間を忘れて求め合った。
今日もその洞窟へと向かう。
目的はひとつ。伊崎ははやる心を抑え、ともすれば早足になるのを堪えた。
響は未だ慣れることの出来ない習慣であった。身体が、ではない。
羞恥心を拭うことが出来ないのだ。
伊崎に対する気持ちは、真剣だと胸を張れる。でも…。恥ずかしい気持ちは、隠すことはできなかった。
伊崎に手を引かれ、目的地に向かいつつ、響の鼓動は期待と恥辱に早鐘を打つ。




「響、会いたかった…」
「ん…僕も…」
ひんやりとした岩肌にもたれ、伊崎は響を膝に乗せ、囁いた。自然に唇が重なる。
響は、この身体の関係だけのために伊崎が会いにくるのかと、以前、考えたことがあった。
しかし、伊達や酔狂で男の身体など求めに、毎週やってくるわけではないだろう。
そして、なによりも、身体を重ね「愛してる」と囁かれる度に、疑う気持ちは薄れていった。
今は彼を、心の底から信じられる。それに、自分の気持ちも。
下草に優しく横たえられた響は、伊崎の求めに応じた。
未だ、この恥辱になれることはできなかったが、なんとか応えようとする。
声も、喘ぎも恥ずかしく、唇を噛んで耐える。それが、男の嗜虐心を煽る仕草なのだとは知らずに。
今日の伊崎は、いつもより激しかった。なにかを忘れたいというような、そんな激しさ。
響は戸惑いながらも、快楽に流されて我を忘れていく。
そして、ついに意識を手放した…。




響が目覚めると、ぽっかり空いた天井部分の空は、夕焼けの色をしていた。
伊崎に腕枕をしてもらう形で、横になっていたのだ。
すぐ横の伊崎の顔を仰ぎ見ると、なにやら真面目な顔で空を見つめている。
「…伊崎さん…なにか、あった?」
おずおずと、尋ねる。声をかけ難い雰囲気だったのだ。何かを考えている、真剣な顔。
「あ…、ああ、起きたか。」
「ごめんなさい、長く寝てしまって。せっかくの1日が…」
「いや、いいんだよ。俺も、ちょっと無理させすぎたから。疲れたろう?」
行為の激しさの事を言っている。響は恥ずかしくなって、伊崎の裸の胸に顔を埋める。
「…なぁ、響。一緒に暮らさないか?」
「え…それは…」
「なんだよ、プロポーズしてるんだぜ。喜べって」
突然の申し出に、響は言葉をつまらせた。
一緒に暮らす。それは、響にとって様々な意味を持つ。そして、様々なリスク。
だが、伊崎の愛情に応えたかった。例え、どんな困難があろうとも。
精一杯の笑顔を作って、伊崎に応える。
「うん…嬉しい。毎日、いっしょにいられるんだね、僕達」
「ああ、そうだ。自立しなきゃっていってたろ?俺の専属のカメラマンってことで、どうかな?
俺は、お前をずっと傍においておきたいんだ」
「働かせてくれるの?」
「もちろんさ。お前がよければ…。でも…」
伊崎は急に言葉を濁した。響は、その先をじっと待つ。暫くの沈黙の後、伊崎はようやく口を開いた。
「でもな…来週から、取材で海外に行く。…中東だ。」
中東…未だ、不安定な情勢。ジャーナリストとしては、またとないチャンスだ。
この取材が成功すれば、業界でも顔が売れる。収入も上がるだろう。
命の危険すらあるが、響と2人やっていくには、それなりの収入を得られるようになりたかった。
そのための中東行きなのだ。
「そんな…そんな危ない所にいくんですか?」
「まぁ、心配するな。今は少し落ち着いてきているらしいから。だが、気がかりなのは、響」
「…え?」
「お前の事だ。帰国できるのが、いつになるか。3ヶ月をめどに考えてはいるんだが。それも、取材の進行具合による。
その間、もちろん会いにはこれない。PCのある環境かも、分からない。」
沈痛な面持ちの伊崎。しかし、響は手を伸ばし伊崎の髪を優しくすきながら微笑む。内心は泣きそうなのを堪えて。
「伊崎さん…僕は、大丈夫。それより、貴方が心配」
「響…平気、か?」
「ん…大丈夫、僕は待ってる。ずっと、待ってます」
涙をみせたら、伊崎に心配をかけてしまう。心残りがある状態で、仕事に行かせるのは嫌だった。
「だから貴方は、仕事に集中してください。いい仕事をしてきて。」
にっこりと、微笑んでみせた。そして、自分から伊崎の唇にキスをした。
「愛しているから、平気。貴方が無事に帰ってきてくれれば、それでいい。」
泣きたくて、すがりつきたい。
行かないでって、言えたら…。どんなに楽だろう。でも…
伊崎には、男として仕事に情熱を注いで欲しかった。
そんな伊崎を、愛しているから。
「ありがとう、響…。きっと迎えに来る。そのときには、お前は本当に俺のものだから…」
静かに頷く響の頬を両手でそっと包むと、やさしく口付ける。
空に、星が瞬き始めてもなお、2人は離れる事はなかった。




8.  ガラスの月


伊崎が帰国したのは、もう11月も半ば。コートの1枚でも羽織らないといられない位の寒さであった。
響に最後に会ってから、もう既に4ヶ月近くが経っていた。
日本の冬には不釣合いな、浅黒く日に焼けた精悍な顔が、中東滞在の長さを物語っている。
羽田に到着した彼は、出版社に直行した。本当なら、響のもとに急ぎたいところであったが、
様々な報告や、データの整理などでそれもかなわない。
しかし、長い取材の代償に一週間ばかりの休暇を願い出るつもりでいた。
現地取材は、言葉の問題や情勢不安などから、思いの外延びてしまった。
焦る気持ちを抑え、なんとか帰国の途についたものの、気がつけば3ヶ月の予定をオーバーしてしまっていた。
だからというわけではないが、休暇のひとつももらっても、ばちは当たらないだろうと伊崎は目論んでいた。
休暇といっても、それは響と過ごす為。響を自宅へ引き取る準備をするために必要なものだった。
会社につくやいなや、編集長に掛け合い、見事休暇をもらうことに成功した。
編集長も、文句の言えた立場でもない。
「だが伊崎、出社したらちゃんとした記事を書けよ。そのためのリフレッシュ休暇だと思え!」
しっかり釘をさすのは、忘れなかったが…。
ありがたく休暇を頂戴して、伊崎は意気揚々と自宅にもどった。



4ヶ月ぶりにPCのスイッチを入れる。
(響は…写真撮っているのかな…)
漠然と考えながら、PCが立ち上がるのを待つ。煙草に火をつけ、気持ちを落ち着けた。


「凪~nagi~」


ブックマークしてあるので、すぐにアクセスできる。
おなじみの海の画像。クリックして、ギャラリーに飛ぶ。
あの、最後に響に会った日付から順を追って見て行った。毎日アップされた「凪」は、最初は爽やかな風景だった。
おそらく響が気丈に振舞ってみせた虚勢。次第に、夕暮れの「凪」が多くなる。
10月頃からか、ときどきテキストが表示されるようになっていた。


10月18日「僕は…大丈夫」


10月23日「信じているから」


10月30日「同じ空の下に…」


11月7日「会いたい」


11月10日「愛してほしい」


凪の海の画像に掛かるように、言葉が書かれている。
「…響。…ごめん」
たまらなくなって、伊崎は画面に向かってつぶやいた。
寂しかったのだろう。写真しか、載せた事なかったのに…。響の心中を思いやると、胸が痛かった。
気を取り直して、次の日付を追って行く。
最後の画像。初めての海以外の…。あの、浜野菊だ。可憐な薄紫の、小さな花。


11月12日「愛する人へ…僕に触って」


そこで、画像のアップは終わっていた。5日間、更新されていない。
伊崎の胸に、嫌な予感が去来する。
(何かあったのだろうか…)
ともかく、平塚に言って見る事にした。ここで悩んでいても、始まらない。
簡単に身支度を整え、出かけようとして気がついた。
電話の「留守録」が赤く点滅していた。帰宅したときは、PCに向かいたい気持ちが強くて、目に入らなかったらしい。
ボタンを押すと、懐かしい声が聞こえてきた。

「え~、お久しぶりです。愛誠病院の長瀬です」

医院長先生だ。心なしか、声が沈んでいる。


「実は、森園君が…亡くなりました。…自殺です。君には知らせないで欲しいと、遺書にはあったのですが
君と森園君の事は彼から聞いて知っています。だから、お知らせしました。帰国されたら、どうか、線香の1本でも
あげてやって下さい。」


ピーッという音で、医院長のメッセージは終了した。
「な…なに…響が…?」
伊崎は自分の耳を疑った。医院長は何を言っている?そんな馬鹿なことがあっていい訳がない。
(俺は信じない!)




どうやって、ここまで来たのか。伊崎は憶えていない。気づいたら、愛誠病院にたどり着いていた。
「昨日、全てが終わりました。私の自宅に遺骨が…。どうか、会ってやって下さい」
医院長に案内され、客間に通される。花がたくさん飾られた中に、響の遺影が微笑んでいた。
あの日のように。儚げな笑みを浮かべて。小さな箱に入ってしまった響。もう、なにも語ることはない。
伊崎は不思議と涙がでなかった。悲しくないわけではない。そんなもの、超越してしまうほどの感情。
この世で最も大切な人を失う痛み。まるで、心が響とともに死んでしまったようだ。
「君との事は、彼から聞いています。私は、同性愛に偏見を持っているつもりはないから。
だから、彼から相談を受けた時、驚かなかったよ。君なら、彼を幸せにできると思ったしね」
呆然としつつも、無意識に手が動き、焼香を済ませる。医院長の言葉は、聞こえてはいたが伊崎の心には届いていない。
「森園君を引き取るつもりだったんだってね。彼は…悩んでいたんだよ」
初めて伊崎の表情が変わった。
「彼を死に追いやったのは、私かもしれない。…そのことには、反対したからね…」
沈痛な面持ちで、医院長は遺影に手を合わせた。



伊崎はひとり、浜辺に立って海を眺めていた。
先ほどの医院長の言葉が、頭の中で繰り返される。
『森園君は、君と暮らす事を望んでいた。だから、私に報告にきたんだ。私は一応保護者だからね。
私は、反対した。君たちが男同士だからじゃない。病気の事を…。伊崎さんが森園君の病気をどこまで
面倒みれるのか、とね。ましてや、自立の難しい現状だ。もし、喧嘩別れでもしたらどうなる?
それでも伊崎さんにしがみついて生きていくのか?と。愛が永遠なんていうのは、幻想なんだと言ってしまったんだよ。
彼のガラスの心は、耐えられなかったのかもしれない。愛を失うかもしれないという、不安に…』
波打ち際ぎりぎりまで進む。
(このまま、あとを追ってしまおうか…)
虚無感が伊崎を襲っていた。
なにもかも、もう、どうでもいいと。
(医院長のせいじゃない。俺が悪いんだ。)
(ちゃんと話し合うべきだった。病気の事も含めて、全てを受け入れるつもりだと言ってやれば…)
(そばに、いてやるべきだったんだ)
冬の冷たい海風が、伊崎の頬を弄る。周りをみわたしても、浜野菊は咲いていない。…響もいない。
(あと、1日早く帰国していれば、響に会えたのに…)
(最後のお別れも…できなかった)
(触れることもできなかった…)
だから、いまひとつ実感が湧かないのかもしれない。せめて、遺体であっても響に会う事ができたのなら、
泣き叫ぶ事が出来たのかもしれない。
今、伊崎の心を占めているのは、虚無感と絶望だけだった。
伊崎は、しゃがんで海水に手を浸す。寄せては返す波を、掴もうとするかのように。
「冷たいな…。響、寒かっただろう?こんな冷たい海に沈むなんて…。なんで…」
医院長からは、入水自殺と聞いている。発見が早かったので、綺麗な遺体だったと…。
「冷たいなぁ…」
指先の感覚がなくなっていく。だが、伊崎はいつまでもそうしていた。何かが壊れてしまったかのように…。




その夜、伊崎は自宅へと戻った。いつまでも、あの海にいたかったが、心がどうにかなってしまいそうだった。
PCを立ち上げて、ぼんやりと画面を見つめている。
煙草をひたすら消費する。今日は、何本目なのだろう。灰皿に、吸殻の山ができている。
テキスト入りの日付の画像を、何回も繰り返し見ていた。響の声が聞こえてきそうな気がしたから。
ふと、最後のテキストに見入る。


「愛する人へ…僕に触って」


これは…何かのメッセージではないだろうか。ふと、そんな気がした。
「僕に…触って?」
触れて欲しいという、単なるメッセージなのだろうか。
何かがひっかかる。
ここにだけ、「愛する人へ」とあるのも不自然だ。
「もしかして…」
第六感が働いたというべきか。ある事に思い当たった。
ページを戻して「プロフィール」へ。


管理人 Kyo / 年齢 18歳 / 凪の海が好き


Kyo、のところにカーソルを持っていくとリンクが貼られている。
「ここだ…」
伊崎は逸る気持ちをなだめつつ、Kyoの文字をクリックした。
そこに現れたのは、あの秘密基地から見上げた、ぽっかりと空いた夜空。ああ、響。お前はいつも、ここに・・・・。

 Kyo


愛する貴方へ


ここは、そう、秘密基地。
僕はここが大好きでした。
貴方と
愛し合った場所だから。
今、僕はひとり…
でもね、ここへ来ると
貴方を感じます。
同じ、空の下にいるんだって。
この場所で僕を愛してくれた。
貴方の愛は本物だって
信じさせてくれた。
だから
寂しい時はここに来ます。
いっしょに暮らそうって
言ってくれて、ありがとう。
でも、僕は…
普通の人とは違うから。
貴方に迷惑をかけたくない。
余計な心配をさせたくない。
だから、貴方の傍にいるのは、あきらめようと思います。
僕は、そんなに心の強い人間じゃないから
つぶれてしまいそうになってます。
もし、死を選ぶことがあったとしても、
貴方のせいじゃないから。
お願いだから、自分のことを責めたりしないで。
僕が弱いから…
貴方の愛情に、全てをゆだねることができない
僕を許してください。
神様がいたら、最後にもう一度、貴方に会わせてとお願いするのに。
貴方が遠い地で、頑張っているのに
ひとりの寂しさに負けてしまった僕を許してください。
強くなりたかった。
生きて、貴方と一緒に歩いて行きたかった。
愛しています。
心から、愛しています。
逢いたい。
逢って、僕の全てをかけて愛したい。
何度でも言える。


愛しています。


そして


ありがとう。





伊崎の頬は、自らの涙に濡れていた。泣いていることにすら、気づかない。
「こんなところに、いたのかよ…響」
嗚咽に肩が揺れる。
涙など、出ないほど悲しいと思っていた。絶望しか、自分にはないと思っていた。
でも…
「俺も…愛してる。永遠に。約束するよ…」
悲しみでも、絶望でもない涙が溢れて止まらない。
その夜、伊崎は生まれて初めて声をあげて泣いた。

「響は苦しみに耐えかねて・・・」
...2006/10/31(火) [No.333]
黒乃大和
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