どうしよう。 俺、男なのに、男を好きになってしまった。 今まで、何気なく普通の生活をしていたのに。 それは、この思いに気づいた今日の出来事。
AM6;30 いつものように起きて、朝食すませてから、カバン持って家を飛び出す。 「やっべー。あと1分!」 走って着いた先は、ヤツの住むアパート。 いつものようにチャイムを押す。 そして、ドアを開けて、 「おっはよー蒼隆~!」と叫ぶ。ヤツは、天然パーマの頭を掻きながら、ドアに立ってる俺に叫ぶ。 「2分遅刻」 無表情で言う蒼隆に、何かドキンときた。 「そこで待ってろ。今、カバン持ってくる」 蒼隆がカバンを取りに、リビングに行く。その間にこのドキドキが治まるのを待つ。
登校中。 蒼隆と、目が合った。あわてて、目を伏せる。そんな、俺を不自然に思ったのか、蒼隆が、俺に話しかける。 「寛人、お前何、目を伏せてるんだよ。俺から見ちゃ、変に思えるぜ」 そういって、俺の手に触れる。 どきってきて、顔が赤くなる。また、鼓動が速くなる。どきどきする。 「だから、どうしたんだよ?寛人?」 口が開けない。俺の手を握る手が強くなる。 「ま、こんな道のド真ん中に立ってたら俺たち、車に引かれてしまうから、学校、さっさと行こう」と言い、俺の手を離した。やっと、ドキドキが止まる。 「おい、早くこいよ」蒼隆に呼ばれて、俺は、駆けだした。
AM8;30 大嫌いな数学。どころでは無い。さっき、どうして蒼隆に話しかけられて、 目を伏せてしまったのか。どうして手を触られただけで、ドキドキしたの? もしかして・・・違う。男が男を好きになる訳ないじゃないか。 ただ、ちょっと。・・・多分。そう、信じていればいいんだ! キーンコーンカーンコーン 授業のおわりのチャイム。俺、もしかして1時間も、蒼隆の事、考えてた? 休み時間に、蒼隆が、俺の机の所に来た。 「寛人、お前、さっきから、ヘンじゃねぇ?」蒼隆、気が付いてたんだ。 「そ・・・そんな事ないよ、気のせいだよっ!」焦って、言い返す。でも。 「ンな訳ねぇだろ?お前、登校中もそうだったけれど、数学の時も、なんか、ヘンな事考えてただろ?」・・・見られてる・・・。 「そんなぁ、俺、えっと、将来の事について考えてた!ホラ、進路とかさぁ・・・」あわててウソをつく。そしたら、今度、頬を両手でつねられる。目の前に、蒼隆の顔が、近くにある。また、胸の鼓動が大きくなる。 「先見ないお前が、ンな事考えるワケ無いだろ?本当の事言えよ、寛人?」そんな事言われても、なんて答えれば、良いかわかんない。つねる手に力が、入る。どんどん、鼓動が大きくなる。顔が赤くなっていく感じがした。そして、そのまま・・・ ドガーン!俺は、イスに乗ったまま、後ろに倒れ込んだ。 やっと、わかった。 俺は、蒼隆が、好きなんだ。 でも、このキモチ、蒼隆が知ったら、絶交かなぁ? 「おい!大丈夫か?」蒼隆と目が合う。あわてて、目をそらす。 ドキドキがとまんない。 「お前、ちょっと、来い」蒼隆に呼ばれて、立ち上がり、着いていく。 着いたところは、誰もいない、学習ルーム。蒼隆は、ドアを、締めて、鍵を掛ける。そして、俺を床に押し倒し、蒼隆が俺の上に覆い被さる。 「お前、俺の事、好きだろ?」・・・どうしよう・・・バレた・・・ 「ち・・・違うって!ただの、友達だって!」慌てて言い返す。 「それじゃあ、どうしてこんなにドキドキしてるの?」胸に手を当てられて、 顔が、赤くなる。もう・・・バレちゃったから・・・イイかな?・・・ 「・・・好き」小さい声で、呟く。蒼隆からの返事が、怖くて、ずっと、目を固くつぶってた。 「・・・俺も、寛人の事、好き」 ・・・ウソ? どうしよう・・・ 嬉しい、嬉しい 蒼隆の唇で俺の唇が、塞がれる。 「ン・・・アぁ・・・はぅ・・・」長い、長いキス。息もできない。 でも、うれしい。ずっと、このままにして。 唇が、離されて、蒼隆が俺を見つめる。荒い息。 「ねぇ・・・今、する?」何が?と、聞き返したら。 「男同士の、アレ」蒼隆が、答える。 「そっ・・・そんな!今は、まだ慣れてないし・・・」俺が、焦って蒼隆に、聞き返す。 「それなら、今のうちに、慣れれば、いいだろ?」耳元で、そう囁かれて、思わず、頷いてしまった。 そして、制服を、脱がされる。白い夏服の制服のボタンを、一つずつ、丁寧に、外していく。俺の、胸の突起を、左右にひねられる。 「ふぁ・・・」 声が、押さえきれず、漏れてしまう。蒼隆は今度は、俺の首筋に食らいつく。赤い跡が、くっきり残る。 「だめ・・・跡が・・・付いちゃうよぅ・・・」俺が、蒼隆に抵抗しようとしたとき。 キーンコーンーカーンコーン 休み時間終了のチャイム。 「もぅ・・・教室戻らないと・・・」蒼隆に言った時、蒼隆は俺に、さっきまでない、深いキスを迫った。 「んふぁ・・・」息が、苦しい。何分も時計の秒針が、回る。秒針が、3周くらいした時、唇が、離れた。そして、俺に制服を、着せると、 「んじゃ、昼休みに続きをしような」そういって、ドアの鍵を開けた。廊下は静まりかえっていて、各教室から、先生の声が聞こえる。
まだ、胸のドキドキが、止まらない。早く、昼休みになってほしい。 俺は、もう 恋愛中毒 FIN
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