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 (甘エロ/フェチ/リーマン/15禁)
寛がせたネクタイ


 玄関を開けると、奴はまずネクタイをくつろげる。
 襟とネクタイの間に人差し指を差し込み、結び目を掴んで左右にゆする。その時ちょっと上を向くもんだから、奴の大き目の喉仏がきれいに浮いて、正直…くる。
 「何見てるんだ」
 ソファーの背に頬杖をついている俺を、奴はネクタイを勢いよく抜きながらちらりと見る。この、しゅる、っていう音も好きだ。
 「ん、誘ってるのかなぁー、って思って。」
 俺はにっこり笑ってそう言う。鈍感だから、視線になんか気づいてないと思ったのに。
 「バーカ。」
 そう言って奴は寝室に引っ込む。そしてスウェットの上下を着て出てきて、俺の用意したメシを食う。そんでもって、一緒にテレビを見る。
 「ねー、」
 「んー?」
 気のない返事。上の空、って感じ。
 「喉仏、触っていい?」
 「あ?別にいいけど…」
 「いいなぁ、俺のはあんまり立派じゃないから。」
 そう言いながら人差し指でつついたり、そっと撫でてみたりする。
 「ね、ちょっと上向いて。」
 そう言うと、奴は面倒そうに上を向く。至近距離でそのきれいな喉仏を見て、なんだか衝動を抑えられなくなってしまった俺は、気づくとひきつけられるように舌でつついていた。
 彼の体が小さく震える。驚いて首をすくめようとする奴を、俺は静かに制する。
 「だめ、そのままでいて」
 「でも…」
 動揺した声。俺はそれを無視して、ゆっくり奴の顎を持ち上げる。
 そして口に含む。飴を舐めるように、舌先で形をなぞる。俺の頬は興奮に淡い熱を持つ。
 口を離して、また舌でつつく。そしてぺろりと舐めあげる。
 ゆっくりと色づきはじめたそれから口を離し、うっとりと見とれていた俺を、奴が抱きしめる。
 「まったく、おまえって奴は…」
 そう言って昂ぶりを俺に押し付ける。俺はおずおずとそれを触る。彼は俺のシャツに手を入れて、貪るように撫でまわす。しばらくそうしていたが、やはりもどかしく、俺は潤んだ瞳で彼を見てこう言う。
 「ね…脱がして…?」
 「了解。」
 そう言ってシャツのボタンを外し、突起を舌でころがす。
 「…ふ…っ」
 快感に耐えられなくなった俺は、彼の頭をぎゅっと抱え込む。それでも彼は舐めるのを止めない。そこから広がるゆるい快感。
 「やぁ…っもう…噛んで…?」
 無言で甘噛みする彼がもどかしく、俺はみっともなくねだってしまう。
 「もっと強く噛んで…っ」
 その言葉を待っていたかのように、奴は強く噛む。その快感から、俺は無意識のうちに奴の腿に股間を擦り付けてしまう。
 奴が乱暴にズボンと下着をずらし、先端から握りこむようにして強く刺激する。突然の快感に、俺は気が狂いそうになる。
 「ああっ…ん…っ…もう…おか…しくなっちゃ……」
 俺の抗議も聞かず、彼は更に激しく扱き続ける。今までの行為で限界まで張り詰めていた俺のそれは、あっけなく果ててしまう。
 奴は手に受け止めた俺の精液を見せ付けるように舐め、すけべな味がする、と呟く。
 奴の指をしゃぶりながら、奴の熱を持ったそれに再び手を伸ばす。先走りがスウェットまでにじんで、染みができていた。
 「どうして欲しい…?」
 やわやわとそれを刺激しながら上目遣いでそう聞く。奴は一瞬顔をしかめて、仕方なさそうに呟く。
 「舐めて」
 「りょーかい。」
 スウェットの上から、先端の先走りを吸うようにしてしゃぶる。次第に口が渇いてしゃぶりにくくなってきた俺は、口を使ってスウェットと下着をずらし、そして口に含んで扱く。たまにくぼみに歯を立てると、奴は眉間にしわを寄せる。奴の弱点。そこへの刺激を強くしていくと、突然奴が俺の頭をそこから引き剥がし、いつの間にか手にしていたローションを俺のそこに塗りこみ、性急に突き立てた。
 「んぁあ…っ…イイ…よぉ…」
 奴の形に慣らされた俺のそこは、いきなりの挿入にも快感を覚え、奴のそれを逃すまいといやらしくからみつく。
 「おまえ、感じてんのか?この淫乱。」
 奴が耳元でそう言う。吐息とともに耳の中に落ちていく言葉。奴は俺がそう言われると興奮するのわかってて、さりげなくこういうこと言うんだ。だから感じてることなんて、絶対知られたくない。しかしそんなの、隠そうとする方が無理だ。
 「サイコー、超エロいよ。」
 そう言って奴は動きを速める。後ろから突かれると、いつもとは違う場所で奴を感じられる。顔が見えなくて声だけ聞こえるのもなんだか俺を興奮させる。
 「んっ…も…ゆっ…くり…」
 「だめ」
 すこし吐息混じりのその声は、俺を更に追い立てる。
 「もっと感じて」
 ふと顔を見たくなって振り向くと、ちょうど目を開けた奴と目が合う。
 「俺で、乱れて」
 そう言う奴の顔は、なんていうかすごくセクシーで、できることならずっと見ていたいくらいだった。しかし奴はそんな余裕を少しも与えてはくれない。
 「ん…もう…っ」
 奴のあの顔を瞼に焼き付けたまま、俺は果てた。

 情事の後、シャワーを浴びに行こうとする奴の手首をソファーにぐったり伸びた俺が掴む。そしてゆっくり引っ張って座らせ、自分の唇をちょいちょい、と指差す。
 「まったくもう」
 奴は仕方なさそうに笑うけれど、俺はそれに愛を感じるんだ。 
「引き続きお題もの。フェチものでして限りなく変態くさいですね。うへ☆」
...2005/12/14(水) [No.256]
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