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 (SM ちょっと鬼畜 かなりエロエロ/18禁)
ヒドイヤツ


「可愛いんだよ。なんでも言うこと聞くし。素直で純粋で。」
桔也は、真向かいに座っている人物に言った。
「へえ。」
「でも、カラダは好き者。そのギャップがいい。」
「ふうん・・・」
「うらやましい?」
「・・・ま、ね。」
「じゃ・・・」桔也(きちや)は、悪戯っぽく笑う。
「させてやろうか。」
「えっ!マジで?」
「ああ。」
「いいの?」
「でも、条件つき。イかさない。入れない。」
「なんだ、そりゃあ。」
「それでも十分楽しめると思うけど。いやなら、いい。」
「や、OKOK。頼むよ、それで。」

 とあるホテルのレストラン。直斗(なおと)は桔也と向かい合っていた。会社の上司である桔也と付き合うようになってからもう二年以上になる。桔也は直斗より7つ年上の三十代後半。この会社で三十代で始めて部長の地位に抜擢されたやり手だ。直斗はその直属の部下兼秘書みたいな仕事をしている。会社では普通の上司と部下。二人の関係に気づいているものは誰もいない。直斗が一人暮らしなので、たいがいは彼のマンションで会っていて、連れ立って外を歩くというような当たり前のカップルみたいなことをしないからだ。まあ、それは当たり前と言えばそうなのかもしれない。それは、同性愛がどうのということだけではなく――桔也には社長令嬢の妻がいるからなのだ。もっとも、考えたくないことは考えないでいる、ということにここ最近ではすっかりなれてしまった直斗なのだけれど。
だから、桔也がこんなところへ誘うなんて、明日雪が降るんじゃ?というくらい珍しいことなのだ。何とはなしに、心弾む直斗。
「何か・・・久しぶりですね、こんなとこで会うのって。」
「うん。たまには、ね。」
「うん。」
「それに今日は、上に部屋とってんだ。」
「え?」直斗は目を丸くする。ますますもって、珍しい。でも・・・嬉しい。桔也が自分のために時間を割いてくれることが。
「後で・・・な。」桔也は意味深に笑う。直斗は少し頬を紅潮させて下を向いた。けれど、桔也の本当の意図なんて、知る由もない。

 さすがにスイートルームとは行かないけれど、広々とした豪華な部屋。入って一息つく間もなく、抱きしめてくる腕。
「ちょっと・・・待ってよ、桔也さん・・・」
「だめ。待たない。」
「もう・・・」
 柔らかいベッドの上。倒れこむ。桔也の手は、器用に衣服を剥ぎ取っていく。
「桔也さん・・・」もう少し潤んだ瞳で見上げると、桔也はやさしく微笑んだ。軽くキスをすると、桔也は直斗の身体を抱き起こす。
「ね、縛ってもいい?」
「えっ?」戸惑うような表情の直斗の前に、桔也は細いロープをちらつかす。
「どーして??」
「いいじゃん。たまには。せっかくこんなとこにいるんだし、いつもとちょっと違うことしようよ。」
「・・・」直斗は、俯いたが逆らわない。そう、逆らうことなんてできやしない。桔也の言葉はまるで呪文。
 桔也は、直斗の手を後ろに束ねると、ぎゅっとくくってしまう。そしてさらに、ポケットから黒い布を取り出す。
「な、何・・・?」
「目隠し。」
「ちょっと・・・」
「黙って。」ほど無く、視界は黒い厚手の布で塞がれる。
「桔也さん・・・なんで・・・」
「黙れって。」桔也は、ちょっと身を離して、直斗を見つめる。後ろ手に縛られた手。ベッドの上にぺったりと座った一糸も纏わない体。黒い目隠しが、やけに映えて見える。
「すご。色っぺーじゃん。そそられるねえ。」
「・・・」直斗は不安げに身じろぎする。けれど、自由にならない手。暗い視界。それをじっと見ている視線を感じて、心なしか身体が熱くなる。
「で、最後にこれ。」不意に、局部をぎゅっと締め付ける、細い革の感触。
「桔也さんっっ!」
「黙れって言ってんの。お前、すぐ我慢できなくなっちゃうからさ。」
「でも・・・何か、いや・・・はずしてよ・・・」
「お前をイかしていいのは、俺だけだからさ。」
「え・・・」
 気配が離れる。
――桔也さん――直斗は身を硬くした。――どこ?
 そして、再び温かい手のひらが、頬に触れた。直斗は、安心したようにほっと溜息をつく。深く、絡めとるような口付け。もっとほしいというように、舌を絡ませようとした瞬間――
――桔也さんじゃない!――直斗は瞳を見開いた。目の前は闇でも、わかる。この唇は、慣れた感触のそれじゃない。
「だ、誰!」必死に顔を背けながら叫んだ。
「何だ。ばれちゃったよ。」聞き覚えのあるようなないような声。その声の主に抱きすくめられたまま、ベッドに倒れこむ。肌に当たる肉の感触は、桔也のそれとは明らかに異質。
「いや――!誰!?桔也さんっ!」直斗は必死にもがいた。けれど、きつくくくられ、背中の下にされた手はびくともしなくて、突き放すことなどできはしない。目隠しされているせいで、相手が誰か全く知れないのも、不安を増幅させる。
「黙ってろって。気持ちいいのは同じなんだから。俺のいうこと聞けないのか?」桔也の声が遠くで響いた。
「や・・・」じわっと涙が滲んだ。
――どうして?どうして?いやだよ、こんな。――
 見知らぬ舌先が、胸の突起をとらえ、執拗に転がし始める。桔也のそれではないとわかっているのに、ビクビクッと身体が震えた。同時に、手は、するすると自身を包み込み、もみしだく。
「いや・・・あっ・・・あ・・・」
――桔也さんが・・・桔也さんが見てるのに。どうしてこんな・・・でも、これは桔也さんが仕向けたこと。どうして?縛ったのも、目隠ししたのも、みんなこのため?どうして
?――
「いやとか言って、もうこんなだぜ。」声はからかうように笑う。そして、尖りきった乳首を、きゅっとかみ締める。
「ああっ!」とろっとした液が、溢れ出る感触。根元を締め付ける革ベルトが、ぎゅうっと食い込んだ。
「ひぃ・・・あ・・・」直斗は、苦しげに吐息を漏らした。――どうして、こんなになっちゃうんだろう、いやなのに。桔也さんじゃないのに、こんな――
 寄せようとした膝は、あっさりと押し開かれ、中心に息づくそれに、ぬめぬめとした粘膜が絡みつく。締め付けられたそこは、ビクンビクンと苦しげに脈打って、再びじんわりと蜜を滴らせる。少し強引に、秘所を押し開く指先。ローションのぬるっとした感触。
「ああッ・・・い、いや・・・」直斗は、必死に身をずり上げて逃れようとした。
――そんなことしないで。おかしくなりそうだ。流されてしまう、こんな誰ともわからない人に――!
「も、がばがばになってるよ、ここ。すごい・・・」
「だろ。」桔也の声。直斗は哀願するようにそちらに顔を向ける。
「き・・・桔也さ・・・」
「入れちゃダメ?」
「――!」直斗はもがいた。――やだよ、やだ――!
「ダメ。ほれ、これ使え。好きなんだよ、こいつ。」
 不意に、硬いものが後ろの蕾に押し付けられた。カチっとスイッチが入り、突き抜けるような振動が、体中をつらぬく。
「うあぁっ!あ――いやああっ・・・っん・・・」
「ほら、もう入っちゃったよ、これ。よっぽど欲しいんだ。」
「あ――ッ!」直斗の身が艶かしくうねる。同時に、きつくくくられた自身が、また苦しげに震える。もう、簡単に達してしまいそうな欲望を飲み込んだまま、先端からじわっと液を溢れされる。
「ん・・・ふ・・・」背中の下で、ぎゅっと指先を握り締めた。――苦しい。どうかなっちゃうよ・・・助けて、桔也さん・・・
「ああ・・・」そこはぎゅっと収縮を繰り返しながら、振動する器具を飲み込んでいく。内壁を打つ強烈な刺激。頭の中が真っ白になる。
「そろそろ可哀想だな。イかせてやろうかな。」
「ダメ。」桔也のくっくと笑う声。
「直斗。」覚えた指先の感触が、額にかかる髪をかきあげた。
「気持ちイイ?」
「・・・」直斗は、さっと頬を染めて俯いた。
「気持ちイイかってきいてんの。」
「いや・・・ぁ・・・」ちょっと桔也の手が触れただけで、そこから広がるように身体を覆いつくす快感。
「正直に言えよ。」
「・・・」
「言わなきゃ、ずっとこのままだぜ。いいの?そこ、苦しくないの?」
「や・・・」
「や、じゃなくてよ。」桔也はその指先を、胸元にすうっと滑らせた。
「あぁ・・・」ビクっとまたびっくりするくらい跳ねる体。
「可愛い。」いいながら、桔也は直斗の唇を貪る。
――桔也さん――懐かしさに、泣きそうな気持ち。愛しいそれを、離さないでというように吸う。それだけで、身体を貫かれてるような錯覚で、自身はまたとろとろと蜜を溢れさす。男の手がそれを掬い取った。その感触にすらビクビクと反応してしまう。
「濡れまくり、さっきから。可愛い顔して、身体はえらくいやらしいんだなあ。」男はくっくと笑った。直斗自身の雫で濡れた指先で、その頬を軽く叩いた。ねっとりした感触に、直斗は顔を背けた。
 今度は、桔也の指が、その先端に触れる。
「あ・・・」くるくると螺旋を描くように蠢く指。こらえようとしてもこらえられない。しっとりとした蜜が桔也の指先を濡らす。そうしながら、桔也は再び身をかがめた。
「俺でなくても、イけるの、お前。」
「桔也さん・・・いや・・・」
「こんなにして。見境ねえんだな。」
 不意に、後ろから、振動がすっと引き抜かれる。
「・・・ん・・・ふ・・・っ」まるで離したくないというように、ぎゅっとそこが収縮する。
「欲しそうにしてるよここ。」男の指が、そこを掻き毟った。
「もっといいモノが欲しいってか?」男のからかうような口調に、涙が出そうになった。
「じゃ・・・」桔也の手が、頬に触れる。雫を塗りつけるように、指でなぞる。顔を背けようとするのをがっちりとつかんだ。
「そういってみろ。そしたら、くれてやるから。」
「・・・」
「言えっての。それとも、このお兄さんのがいいか?」
「いや!・・・桔也さん・・・」
「何。」
「桔也さんの・・・が・・・い・・・」消え入りそうな声。またじわっと涙が滲んだ。
「ひどいんじゃないの、それ。」男は一際強く内壁をすりあげる。
「ひっ・・・」
「お姫様がそういうなら、仕方ねえ。」桔也はからからと笑う。力強い腕が、直斗の身体を抱き起こした。懐かしい体温が背中に触れる。直斗は深い溜息をついて、その胸にもたれかかった。細い腰を抱え上げられ、次の瞬間には、桔也のそれが深く深く身体を貫いた。
「あ――ッ!ああっ――」腰を鷲づかんで上下させる動きにあわせて、身をくねらせる。もっと欲しくて。もっと奥まで欲しくて。
「桔也さ・・・あ・・・っ・・・」そうしながら、前に回された手は、自身をもみしだく。じわじわと溢れる液を、塗りつけるように。
「こんなにしちまって。」桔也は笑いながら、革ベルトをなぞった。
「も・・・う・・・あ・・・」
「ダメ。まだ。」桔也は、直斗の耳たぶをキュッと噛んだ。
「・・・っん・・・」白い肌が、ぱっと紅潮する。片手で尖った乳首を苛めながら、もう片手は、限界まで硬さを帯びた自身を弄ぶ。わき腹から胸のラインをなぞるのは、あの見知らぬ男の手。その唇は、小さな突起を吸い上げ舌先で転がす。その責めに見も世もなく喘ぎ続ける。相変わらず視界を塞がれているから、よけいに触れられたところに感覚が集中してしまう。
「まぁだ、我慢させんの?」男がささやいた。桔也がくっくと笑う声が耳元で聞こえる。
「まだ、我慢できるよな、直斗?」
「・・・」――我慢なんて、できないよ。――でも、口にすることはできない。
「いい子ちゃんなんだ。でも、このままだと、俺の立場なくない?」
「そうだなあ・・・」桔也は再び笑うと、その手のひらで、すっぽりと直斗の喉元を包み込んで上を向かせる。
「自分ばっか気持ちよくなってちゃ、悪いよな。なぁ・・」そして、微かに開いた唇を指でなぞった。
「ここで、してあげて。」
「や・・・そん・・・な・・・」
「ダメ。命令。言うこと聞けないのか?」
「で・・・も・・・あっ・・・」再び鋭く突き上げられて、直斗はビクビクっと身を震わせる。
「じゃあ、ここに。」桔也は、自分のそれを飲み込んでいる直斗の秘所に、指を這わせる。
「いや――!」
「じゃ、口あけて。ほら。」桔也の指先は、少し強引に、ぽってりした唇を割りさいた。
「後ろはダメだけど、お口ならいいって。ほら。」
「ん・・・っ・・・」顔を背けるまもなく、口を塞ぐ男のそれ。前髪を軽くつかまれて、喉の奥まで突かれる。
「んんぅ・・・っ!」同時に、上下させる腰の動きが激しくなった。けれど、もやは吐息を漏らすこともできない。
「いつもしてるみたいに、ちゃんとしな。」桔也が耳元でささやく。
「うまくできたら、ごほうびにここ外してやるから。」
「・・・っ・・・っ・・・」直斗は微かに首を振った。下から絶え間なく突かれる動きと、絶えず弄ばれる胸と局部。それだけで気が狂いそうなほどの疼き。それがまた厳しく戒められているのが、余計に身体を熱くする。けれど、少しでも自由にしてほしくて、苦しさに耐えられなくて、口を塞ぐそれにゆるゆると舌を絡みつかせる。もう何がなんだかわからなくなっていた。
 肌の触れ合う音。吐息。永遠ともいえる時間。
 桔也の腕が、ぎゅうっと直斗の身体を抱きしめた。ますます激しさを増す動き。そして形のよい唇を割りさいて押し入っているそれも。
「ん――んんっ――!」瞳から溢れた涙は、黒い布にすっと吸い込まれた。一際強く突かれたとき、身体の中に熱い液体が弾けた。それは愛しい人の愛の雫。内股を伝ってどろりと流れ落ちる。そして、口の中で脈打つそれからも。飲みきれない液が、口の端から零れでた。
――いく――痺れた頭の中で感じた。けれど――相変わらず革ベルトに阻害されたそれは、僅かな液を滲ませただけ。持続する射精感に、身を震わせながら、直斗は桔也の胸に倒れこんだ。

「よくできました。」桔也の声が遠くに聞こえるような気がする。けれど、後ろからしっかりと抱きしめている腕は、間違いなく桔也のそれ。どろりとした液で汚れた頬を、指先で拭う。
「ん・・・」直斗は微かに眉根を寄せて、またビクビクっと震えた。相変わらず下腹の辺りに渦巻いたままの欲望。それが触れられるたびに増幅する。
「よかったろ?」
「うん。最高。」男のカラカラと笑う声。
「よかったな。お兄さん、満足だってよ。じゃ、ごほうび上げなきゃな。」桔也の手はゆっくりと滑り降り、革ベルトに触れた。
「・・・あ・・・っ・・・」解放される悦びに無意識に震える体。ほどなくするりと抜き取られるベルト。
「・・・は・・・あぁ・・・ぁ・・・」深い深い吐息とともに、あふれ出す奔流。じくじくと滲むように、とめどなく。桔也は、膝の裏に手を添えると、ぐいっと大きく開かせた。
「やぁ・・・」直斗は力なくもがいたが、どうすることもできはしない。
――見られたくない。知らない人にも、桔也さんにも、こんな・・・――けれど、押さえに抑えられたものは、留まることを知らない。それは、しとどに桔也の指先を濡らし続ける。
「こんなに感じまくってたんだ。」
「・・・」
「恥ずかしくないの?」桔也はからかうように笑う。
「でも、可愛い。」見知らぬ男が言った。
「だろ。」桔也は再び笑う。「でも、俺のだけど。」
「いい思いしてんな。」
「ああ。」
 かさかさと衣服を着る気配。半ば遠くなった意識の中で、遠ざかる足音を聞いた。かすかに身じろぎすると、抱きしめる腕に力が込められるのを感じた。ほっとして、また身を預ける。なんだか疲れて力が抜けて、もう何も考えられない。

 いつの間にかまどろんでいた。気がつくと、目隠しもロープも外されている。桔也がタバコをふかしながら、雑誌を読みふけっている。ぼんやりとそれを眺めていたが、やがてはっと気がついたように身を起こす。
「き、桔也さんっ!」
「あん?」のほほんとした様子で桔也がコチラに顔を向けた。
「どういうこと?何で、何で、あんなひどい!」
「別に。」
「別にって――!」
桔也はゆっくり立ち上がると、がばっと直斗の身体を抱きすくめた。
「ちょっと――」
「いいじゃん。つっこまれなかったんだし。」
「そういう問題じゃない!桔也さんは、平気なの?俺に・・・俺にあんなことさせて・・・」
「あんなこと?って?どんなこと?」桔也は直斗の胸元に手を滑らせる。
「や、やめ・・・待ってよ・・・あっ――ん・・・」
「自慢したかったからさ。」
「じ、自慢・・・って・・・あ・・・」
「お前があんまり可愛いから。」
「そんな・・・」桔也は直斗の身体をぎゅっと抱きしめる。心地よい体温。それだけで気持ちが昂ぶってくる。でも・・・
「誰に・・・あの人、誰・・・」
「さあね。誰でもいいだろ。さあてと、それじゃ、今度はゆっくり・・・」
「桔也さん――!」
――優しく触れる唇。やっぱり、桔也さんが一番好き。でも、もうあんなことはいやだ。絶対許さないんだから――
「ああ・・」――許さないんだから。――逞しい肩に縋り付きながら、ちっとも説得力のないことを思っていた。
「サイトはこんなような感じでソフトからややハードまでSM要素あり&ちょっと鬼畜エロエロ小説です。」
...2005/10/6(木) [No.243]
mimi
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