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 (甘々 健気 可愛い/--)
ラブラブ


ラブラブって言葉は俺たちの為に作られたと言った方が正しい。次に広辞苑が改訂されたら、ラブラブの意味のところには俺たちの名前が載る事は絶対事項なんだから。



「な~っちゃん!どこか行こう!」

「うぅ~ふぁ~。…タイキ?ムギュ~あったかい。」

「うゎっ!もぅなっちゃん痛いよ~!でも、大好き。」

チュッとほっぺに軽いキスをして、なっちゃんの腕の中に包まれる。なっちゃんの本名は捺緒って言うカッコイイ名前なんだけど、俺はなっちゃんの特別だし、俺の中では可愛くて仕方ないからなっちゃんって呼んでるんだ。もちろん俺だけしか呼べないよ!誰にもなっちゃんはあげない。あっ、でも犬のフランは特別。俺たちのキューピッドだからね。

「……キ。…タイキ。起きて!遊び行くんでしょ?」

「う…ん………。あれ?何で俺寝ちゃってるんだ…?」

俺は眠い目を擦りながら、なっちゃんの部屋に来てから今までの事をなっちゃんへの愛の部分を少しずつかき分けながら足らない頭で考える。遊びに行こうとしたら、なっちゃんが寝てて…それでいきなりなっちゃんに抱きしめられて俺はすっごく幸せで……ってそれで寝ちゃった!?つかなっちゃんのせいじゃんか!

「なっちゃん!!謝って!俺めちゃくちゃ怒ってるから!」

なっちゃんはズルイんだ。自分が大人だからって都合のいい時だけ甘えて来てさ!俺がバカだと思って!

「アハハ。ゴメン、ゴメン。だってタイキの寝顔から好き好きオーラがいっぱい溢れていたから、俺も嬉しくなっちゃって何回キスしたら起きるか実験したくなってさ~!」

「ふぇ!?それって寝てる間に何回もキスしたって事?え~!」

そんなのヒドすぎるよ!せっかくなっちゃんからキスしてくれたのに俺の記憶には残らないんだよ?それになっちゃんからキスしてくれる事なんて滅多に無いのに…クスン。

「ほ~ら、そんなに泣くな。キスなんかこれからいっぱいしてやるから!なっ?」

「うん…でも許したわけじゃないからね!寝ていた時より何百倍もしてもらうんだから!取り敢えず今、して。」

ワガママだって分かってるけど、なっちゃんからのキスは特別なんだ。だってね、すっごく優しくて最後には必ず耳元で好きだよって言ってくれるんだよ。俺はその度に幸せ過ぎていつも放心状態になっちゃうんだけどね。

「どこにキスして欲しい??」

なっちゃんはわざと聞いてくる。そんなの言わなくたって分かってるくせに。きっと俺が子供だから、からかわれてるんだよね・・・。でも、俺負けないもん!絶対なっちゃんと対等になるんだから。

「口に決まってるじゃん!それ以外はキスって言わないの!」

めちゃくちゃな理由をつけて反論する。だけど、なっちゃんは全部お見通しって感じでずっと俺の頭をワシワシって掻き乱してる。なぜかとびっきりの笑顔でさ。

「じゃあ、良い子は目を閉じましょうね。俺がキスするまで目を開けちゃダメだからね?もし開けたら・・・っと、これは秘密。」

「えぇ~俺に隠し事しないで!寂しいじゃん・・・。」

「う~ん・・・困ったな。でも、秘密にしておいた方が後から楽しい事もあるんだぞ?それにタイキを悲しませるような事は絶対しないよ。今までもそうだったろ?」

コクン。俺はなっちゃんに宥められて素直に頷く。それにしても今日のなっちゃんは少しおかしい。ハイテンションってわけじゃないし、冷たいわけでもないんだけど・・・、凄く嬉しそうだし、いつも以上に触れてくるし、ってそれは俺にとってはすっごく嬉しいんだけどさ。やっぱり気になる。まさか別れる前の最後のスキンシップとか!?もしそうだったら俺・・・。

「はい、じゃあ目閉じて。」

最悪な想像に答えも出ないまま、なっちゃんの柔らかい声が耳元に降って来て俺は催眠術にかかったようにすぅっと目を瞑った。

「絶対開けちゃダメだよ・・・?」

何度も何度も確かめるように吐息交じりの声が部屋中に広がっていく。心地良い。目を閉じていても分かる。なっちゃんに包まれているのが。

そして目の前にあった気配がだんだんと薄れていき、重なる・・・甘い、すっごく甘いキス。呼吸の仕方すら思い出せないくらい脳内は甘い蜜に犯されて意識を奪う。

「姫、目をお開け下さい。王子は待ちくたびれて襲ってしまいそうです。」

どれくらい時間が経ったんだろう?俺はまたしてもなっちゃんに起こされようとしている。とびきりの殺し文句で。

「王子、私は襲ってくれるまで目が覚めません。」

「分かりました。でわ、さっそく!」


そう言ってなっちゃんは俺の体をひょいと持ち上げてベッドの上に放り投げた。俺も仕返しとばかりになっちゃんの手を思いっ切り引っ張り大きいとは言えないベッドへと招待する。

それからは、お互いの服を脱がして体の至るところに愛のを印付けあった。なっちゃんの肌は透明で真っ白だから赤い色がとっても映えるんだ。嬉しくていっぱい付けたのはいいんだけど、明日の体育がプールだってすっかり忘れてて二人とも大笑いしちゃった。

で、結局体育はサボって教室でラブラブしたんだ。少し大人のラブラブをね。
「おバカな話ですみません<m(__)m>」
...2005/7/16(土) [No.225]
未月ヒロ兎
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