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 (リーマン 誘い受け/18禁)
生産ラインのその上で


  視線を感じて原田は周りを見回した。昼休みの社員食堂は大勢の
 人でごった返していて容易には視線の相手は探せなかったが諦めか
 けた時、まともに当の相手と目が合った。
  男である。何だ男かと原田は目を逸らせた。しかしまだ視線を感
 じる。原田は一度は目を逸らせた相手をチラと盗み見た。確か自分
 と同じ位の歳だった。原田は二十代後半に突入したばかりだった。
  その相手は視線を逸らせるどころか余計に原田をジロジロ見て、
 一緒のテーブルの連中に何か言っている様だ。何を言っているかは
 周りのざわざわとした声と席が離れているのとで聞こえなかった。
  何だってんだ…。原田は自分の給食弁当に意識を戻しながら首を
 傾げた。

  大学を卒業して入った会社を辞めて親元の小さな町にあるこの会
 社に原田が入社してまだ二ヶ月だった。給料は安いし変な男もいる
 ようだがとりあえずここで暫くは辛抱しなければならない。あまり
 面倒な事は起こしたくなかった。

  男の名前はすぐに知れた。男が前に居た部署に原田が配置になっ
 て引継ぎをしたからだった。吉沢と言うその男は背が高くて明るい
 二枚目だが口も軽い。ぺらぺらと原田にお構い無しに喋る。
 「アレはこうして、コレはこうして、じゃあよろしくー」とまくし
 立てて原田が訳が分からなくて突っ立っている間に行ってしまった。
 入社して研修みたいなものをチョロッと受けただけである。そんな
 簡単に憶えられる訳がない。

  女子社員に「検査機械が動かない」「不良品になるか否か」果て
 は備品が無くなったとせっつかれて原田は早速途方に暮れた。吉沢
 は自分に対して何らかの含むところがあってこういう事をするんだ
 ろうかと、よからぬ妄想まで湧いてくる。

  原田を助けたのは課長の笠松だった。体育会系の大男で大の女好
 き。腕を組んで職場を見回るのが趣味だが頼られるのが好きで面倒
 事が起こると皆この男を頼りにするようだ。
 「吉沢。引継ぎはちゃんとしろ。原田。納得行くまで吉沢に聞け」
 笠松に言われて吉沢は「何ですかー。分かんなかったらちゃんと言
 って下さいよねー」としゃあしゃあと答えた。
  試しに原田が検査機械が動かなくてと言うと「ああ、あれはねー」
 と教えてくれるが、言ったらもうすぐその場から逃げようとする。
 「ちょっと他にも…」原田は行ってしまった吉沢を慌てて追いかけ
 て部品を見せてさらに聞いた。「あの、こういうのは不良品になる
 んでしょうか?」吉沢はその部品をろくに見ずに「あー、大丈夫、
 大丈夫」と答えて原田が部品を見て、もう一度吉沢の方を見たとき
 にはもういなくなっていた。何て逃げ足の速い奴なんだ…。
  原田はその日から暫く吉沢と追いかけっこをしなくてはならなか
 った。

 「原田、何をやっとるんじゃ。男の尻を追いかけるのがそんなに楽
 しいか」腕を組んだ笠松が言う。そんな事はしたくないが何事もひ
 とつづつというのが原田の流儀だった。
 「吉沢さんここはどうするんですか?」追いかけてひとつ答えると
 もう吉沢はいなくなっている。

  それでもどうにかこうにか仕事をこなせるようになったある日、
 原田の勘違いかメーカーの注文ミスか出荷が間に合わなくなった。
 納期は明日。女性社員を全員残業させても間に合うかどうか…。

  原田は女性社員に残業を頼んで回った。やはりというか皆いい顔
 をしない。なんとか頼み込んで三分の二の人数を確保して原田も生
 産ラインに入って溜まっている所をはかしていると吉沢が一昔前の
 アニメみたいにピューと走って来て原田のところで急ブレーキをか
 けて止まった。
 「原田さんー。何してるんですか?」何をしているって見て分から
 ないのだろうか。原田はそう聞く吉沢を顎を引いて見た。
 「出荷が間に合わないんです」吉沢はいつものようにそのまま走っ
 て行かず何と原田を手伝い始めた。原田は青天の霹靂のように吉沢
 を頭の天辺からつま先まで何度も見返してやっと「手伝ってくれる
 んですか?」と聞いた。
 「当たり前でしょう。ここはいいから…」原田は吉沢がそう言いか
 けたのを途中で頷いてダッと走って他の溜まっている場所に行った。
 青天の霹靂でも何でも良かった。手伝ってくれるなら有難い。その
 日は吉沢が光り輝いて見えた。

  結局一日遅れで全部が出荷出来た。メーカーに送った後、原田は
 ぐったりとしてラインに伸びた。
 「吉沢さん…。何してるんですか?」吉沢は伸びた原田の腕をライ
 ンのローラーに縛っていた。「ちょっと!何を…」驚く原田にお構
 いなく両腕とも縛ってしまった。
 「だって原田さんがあんまり僕のこと嬉しそうに見るから、これは
 お返しをしなければいけないかと思って」お返しが両腕を縛る事な
 ら止めて欲しかった。
 「や、や、止めて下さい」腕を縛って何をするつもりなのか。吉沢
 は原田のズボンのジッパーを下ろして中のモノを取り出した。
  そしてパックンと口に銜えた。
 「ぎゃーーー!!!」原田はパニックに陥った。
  よ、よ、吉沢は…、ホンモノーーー!!??
 「や、や、止めて下さいよー」原田は何度もお願いしたがやがて吉
 沢の微妙な舌の動きとものすごいシチュエーションに煽られてきた。
 イクのはいやだ。イキたくない。我慢だ俺。ーーー!!……。

 「あっ……」イッてしまった…。

  吉沢はコクンと原田が吐き出したものを飲み干した。そして舌な
 めずりをしながらチロリと原田の方を見上げた。

  ヤ・バ・イ…。

  相変わらず腕は縛られている。絶体絶命だった。吉沢がズボンの
 ジッパーを下ろすのを原田は絶望的な気分で眺めていた。吉沢はも
 う一度原田のソレに手を絡めた。下を向いた原田のソレがすぐに元
 気を取り戻す。
  何だって俺、こんな時に何度も起つんだよ。原田は自分の息子に
 裏切られた気分だった。

 吉沢はズボンと下着を全部下ろすと原田の上に乗り上がってきた。
 「え…?」原田のそそり立ったモノは吉沢の後ろに…。
  うわーーー!!そんなトコに俺の大事なモノを入れるなっ!!
  原田はジタバタした。しかし逃げられない。自分の息子は意に反
 して吉沢の中で元気に育った。きつい。締め付けてくる。しかも内
 は熱くて…。ぞわぞわとした快感がこみ上げてきた。こんな快感は
 始めてだった。吉沢が腰を上下させると原田の腰も自然と揺れた。
  うっ、イイ…。何だって俺、相手は男だぞ。後ろに入れてんだぞ。
 しかし、快感は募るばかりだった。自分の上で喉を逸らせて揺れる
 吉沢が非常に色っぽく見えた。そう思った途端原田はまたイッてし
 まった。

 「原田さん、男相手に起つんですねー」背の高い男がニヤニヤ笑っ
 て嬉しそうに言った。「僕、原田さんが入った時から、一目ぼれな
 んですよ」
  俺どうしよう…。原田は明るく告白する吉沢を前にラインの上で
 固まっていた。

           終
「一応な18禁です。自分とこに置けないのでよろしくです。」
...2002/9/8(日) [No.20]
timaki
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