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 (兄弟/15禁)
ナンセンス


 勝手知ったるマンションの一室に合い鍵で入る.9月の後半に入っても残暑は去らず,開いたドアから漏れるクーラーの涼風にホッと息をつく.
「おっす」
 キッチンと一緒の狭い部屋で,家主である兄は深夜にも関わらず,クッションに胡座をかいて座りテレビを見ていた.
「よお,久しぶり」
 一つ上の兄は,ここから2時間半ほどの郊外にある実家から,都心の大学に通うのは大変なので,大学の側に一人暮らしをしている.渋谷にもすぐに行けるのでうらやましいが,俺の大学は地元なので,なんとも言えない.

 どかっと,兄貴の前に座り込み,後ろに寄っかかった.
「重い.汗くさい,女の匂いがする」
「合コン帰りだから.もう家までの電車無いし」
 昨晩は,新宿でダチの知り合いの女子大生と合コンをした.オール予定だったので,わざわざ地元から出てきた.で,途中で気が合った女とホテルに行った.つまりお持ち帰り.
「お持ち帰り失敗?にしちゃこの時間てのはおかしいよな」
 今は3時で,カラオケオールにしても,お持ち帰りにしても,お楽しみの時間のはずで.
「や,不完全燃焼」
 セックスはもちろんした.彼女もしばらくいなかったから溜まってたし.でも,行為が終わっても体の熱が冷めないので,女を置いて,兄貴の家まで来てしまった.
「ホテルに女置いてきたのかよ,悪いウワサ立つぜー」
 酒が入っているからか,ぐっすりと寝ているのを良いことに金だけ置いてタクシーに乗ってここまで来た.
「…ま,いいや,違うガッコだし,地元じゃないし」

 後ろに体重をかけると,寄りかかった背中がずるずるとずりおちて,兄貴の胡座をかいた脚に頭を載せた状態になる.
 兄のスウェットのスリットから,ペニスを取り出す.シャワーを浴びた後なのか,匂いは無い.口の中に唾を溜めて,先端に吐き出す.唾を唇で塗りつけるように拡げる.ペニスが大きくなって行くにつれて,ケツの穴の奥が疼きだす.腰パンしているボトムを下げ,下着に手を入れる.
「すげー.…淫乱になっちゃって」
 頭に手を置かれた.
「誰がこんな体にしたんだよ」
「俺のせいだけではねーな」

 兄貴とは,年が近いせいで,いつも一緒だった.一緒になって悪戯もしたし,良くケンカもした.でも,家にいるかぎり顔を合わせずにはいられなくて.
 親に怒られるのは,いつも兄貴だった.俺は弟と言うこともあり,要領がよかった.甘やかされたかどうか知らないけど,地元の3流大学行って.兄貴はそこそこ名前の知れた都心の学校に行った.兄貴は一番のライバルだったから,すげー悔しかった.それでも,兄は先駆者だった.ファッションも,音楽も,反発を覚えるときもあったし,影響されることも多々あった.
 兄貴が自慰をしはじめたとき,同じ部屋だった俺も必然的にその行為を覚えた.一緒にエロ本も読んだし,チンチンの触り合いもしたし.好奇心からフェラチオも.兄貴に彼女ができても,その関係は続いた.俺も,一人でするより気持ちが良いから拒むことなどなかった.兄貴に年上の彼女が出来たとき,前立腺マッサージを覚えたらしく,俺にしてきた.情けないことに,俺はそれがやみつきになり,ケツで感じるようになってしまった.アナルセックスはその延長線上かなんか知らないけど,勢いでした.兄貴が一年前家を出るまで,行為は続いた.それからはたまにメールで連絡をとる程度.時間があったときにエッチもしたけど,それぞれの時間を過ごしていた.
 今日はたまたま,兄貴の家が近くて,体が疼くから,女を置いて,来てしまった.お持ち帰りして,そのまま付き合うことも出来たのに.

 舐めている肉棒からカウパー液が漏れる.
「ケツ,こっち向けろや」
 兄の顔を跨いで,シックスナインの体勢になる.
「ジェルかなんかねーの?」
 男のケツは濡れたりしないので,入れる前に慣らさなければならない.舐められるのも嫌だし.
「ジェルワックスじゃ無理?」
 ジェルワックス…頭につけるやつか,と思い当たり,固まった.
「うわ,俺のケツにそんな体に悪そうなもんいれんなよ」
「あー,じゃ.こないだナツミが追いてった,豆乳ローションでいいか.自然素材よ?」 知らない名前.兄貴は頻繁に彼女を替える.男の一人暮らしなのに,部屋がきれいなのは,彼女が入れ替わり立ち替わり掃除をしてくれているから.
「ん,じゃそれで」
 洗面所から持ってきたローションをケツに塗りたくられる.ひんやりとしている.

 19年間も一緒にいるから.互いの性格も知り尽くしているし,性感帯も知っている.女とするよりも,一番兄貴とするセックスが気持ち良い.兄貴はどうだかしらないけど.幼い頃から知っているので,安心というのも,ある.一番のライバルで,一番の理解者.ケツで感じるけど,ホモではないから,男に抱かれるなんて冗談じゃないし,ホモだなんて噂立てられたらどうしようもない.
 後ろから,ガンガン突かれて,嬌声をあげる.上り詰めていく.



「あ,朝こっからガッコ行くから服貸して.つか,起きれ無そう」
 行為の後,体はだるいけど,妙な充実感にうとうととする.汗と精液でベタ付いた体のまま床に転がっている.床でそのまましたから,背中が痛い.
「おー,適当にとってけば.俺はどうすっかな…午後からだしな.…起きれないんだったら寝なきゃいいじゃん」
 隣に寝ている兄貴がペニスを弄ってくる.
「横暴兄貴」
「なんとでも言え」
 唇にキスを落とされたたから,首に手を回して,舌を絡めて応えた.
 こんなんじゃ,寝なくても,徹夜の上体が動かなくなるし,学校サボり決定.

 男同士,しかも実の兄貴とのセックス.
 肉親としての情はあるけど,愛しているとかはよく分からない.
 ま,不倫・援交・ロリコン・SM愛好家・同性愛者.そんなのが当たり前になりつつある世の中で,こんな関係もアリじゃない?
作者のホームページへ「よんでいただきありがとうございました!」
...2004/12/27(月) [No.155]
真希
No. Pass
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