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 (コメディ・惚れた惚れられた?/--)
わけがわからない



「何でだよ!!」

「そうだ、何でだ!」

「何でって言われても……これは、クジ引きで決めた結果であって……」

「わけわかんねーよ!お前ら、わかっててこういう嫌がらせすんのか?!」

「そうだ、これは嫌がらせだ!」

「や、嫌がらせじゃなくってね……うん……これは運というか、

たまたま君たちが推されたわけで……」

「いいや、これは陰謀だ!このクラスを馬鹿にしようっていう、悪の陰謀だ!」

「おい、責任者でてこい!殴り飛ばしてくれる!!」

「ひ……!せ、先生~助けてくださいよぉぉ」

委員長の悲痛なHELPに、ただ見物していた先生も重い腰をあげた。

クラスメイトは、その先生の動きに集中した。

それはただ、あの二人の喧嘩に油を注ぐのか、水をかけるのか、

はてまた失敗に終わって先生自身が火の粉を浴びるのか、

それをじっくり見てやろうじゃないかという企みなのだが……

まあ、ここはひとまず、クラスの困ったちゃんたちをどうにかしてくださいっ、

という純な訴えを瞳に宿して先生の背中を見送るのだった。

ボリボリ頭を掻きながら、やる気のなさそうに歩いてくる先生に、

二人とも期待していないのか、まだいがみ合っていた。

「いいか、絶対俺はこんなの認めないからな!」

「当たり前だ、俺だって認めねぇ……!お前とやるくらいなら、死んだほうがマシだ」

「あー、同感だね!お前とだなんて、虫唾が走るってもんだよ……!けっ」

「ほほう」

と、不精ひげをはやした、先生らしからぬ担任は二人の間に割って入ってきた。

「そんなに嫌か?」

「当然だ!!」

二人はピタリと同じことを叫んだ。

担任はその一言にふむふむと納得した様子で、

また二人は、ようやく事の重大さがわかったかとちょっとふんぞりかえってみて、

「じゃあ、頑張れよ、白雪姫と王子様っ!」

ぽんっと二人の肩を、担任は軽く叩いた。

二人が真っ白になったことも、クラスメイトが口をあんぐりあけたことも、

もはや言うまでもないか………

 

「大体、ここは共学だぞ?何で俺が、白雪姫を……!」

バシンッと荒々しく台本を床にたたきつけた山田に、

「そうだ、そうだ、誰が男と男でラブシーンなんかを見て喜ぶかってんだ!」

ガシガシと頭を掻き毟る中山

村娘Fの練習をこっそり担任としていた委員長は、

大事な主役たちが逃げてしまうんじゃないだろうかと血相変えて、

ドタドタと二人の間に割って入った。

「ま、待ってよ……!君たちがいなくちゃ劇は盛り上がらないんだよ……!」

「盛り上がるのは俺が男で、こいつが男だからだろう?!」

山田は苛々しながら委員長から目を逸らした

「ま、まあ……それもありはするけど……」

「ほらやっぱり!」

委員長は「あ」と言って、遅すぎる口を塞いだ。

「大体おかしいと思ったんだよ、こーんなに女の子がいるのに

俺が白雪姫だとかさ……!やっぱり、俺たちを笑い者にしようっていう――」

「おいおい、そりゃぁ違うぞ山田」

気だるそうにのそのそやってきた担任に、山田も中山も冷たい一瞥を与えた

大体、このめちゃくちゃな劇を考えたのはこいつだ……

「山田は男にしては色が白いし、身体も小さい」

「うっせぇなぁ……」

「それでいて中山は女の子の視線を頂き放題の美少年だ」

「……それ、ほめてんすか?」

「加えてお前らの背の高さもまるで王子と姫、うん、こんなにぴたりと役に

はまりそうな奴らを放って、誰に役を決めさせるって言うんだ?え?」

「……ぴたりって……、俺、男なのに……」

山田は青ざめた顔で、自分の体つき・顔立ちを思い浮かべた

ああ、どうせなら中山の背と、男らしい身体・顔立ちがあればなぁ……

「俺の配役に間違いはないさ、お前らいい夫婦になるぞ?」

「縁起でもないこと言うな!」

「殴ってもいいっすか?」

「まぁまぁ、まだこれには続きがあるんだから、聞けって」

「どんなことを言われようと、俺はこの劇やらねぇ!」

「焼肉食べ放題」

山田の耳がぴくりと動く

「劇が成功したら、皆に焼肉を奢ってやろうかと……俺、思ってたんだよねぇ……

何て言ったって、高校最後の文化祭だし?それくらいやらないと、いい思い出が

できないっつーか、なんつーか……はぁ、そうか、やってくれないのか……

だったらオジサン、焼肉やめようかなぁ……主役のいない劇なんて――」

「おい中山」

「……あ?」

嫌な予感がする、中山は振りかえらなかった

「……今から猛特訓だ!」

何言ってんだお前、正気かコノヤロー!!と、

殴りかかろうとして、中山は動きをとめた

山田の目は、焼肉というエサに見事、らんらんと輝いていた。

 

早速、山田と中山は台本片手に練習を始めた

遠くからこっそり見守る委員長も、クラスメイトもややほっとしているようだ。

「『ああ、何てことでしょう王子様……私は月に帰らねばならないのです……よよよ』」

「……『よよよ』まではいらねぇだろ」

「だって、台本に書いてんだもん……おい、次中山の番」

「は?どこ?」

「ほら、ここだよ……白雪姫を背後から抱きしめるっていう……」

と、山田は台本を指差したまま固まった

「へぇ、これキスシーンまであるぞ?」

中山はにやにやしながら、青ざめて動かない山田を見下ろす

「お、お俺……やっぱやめ……!」

「焼肉食べ放題」

「う」

「まぁ、あの担任のことだし……この劇やめるのは無理だろうな……

と、いうわけで俺も焼肉につられることにしたから」

「……ううう……で、でもでも……お、お前とき、きききき……!」

「言うな!俺だってしたくねぇ……」

「だ、だったら……!」

山田は今にも泣きそうだ

「そこはフリで過ごすんだよ、頬をかすめる程度で」

「あ、……あ、そっか……う、うん……」

ああ、よかった……マジでキスしなきゃなんないのかと思った……

ほっと息をつく山田

やれやれと肩をすくめる中山

本番は間近。

 

今年の文化祭は山田・中山たち三年生にとって最後の文化祭

だからって、白雪姫やらかぐや姫を混ぜたドタバタラブコメをクラスメイト全員で

しなくてもいいじゃないかっ!と、いう突っ込みは発案時にもあったものの、

やっぱり食べ盛りの高校生には「焼肉食べ放題―しかもタダ!」というご褒美には、

よだれをたらして勢いよく賛成しても致し方ない

てなわけで、文化祭の当日は異様な雰囲気の中で行われるのであった

ちなみに異様な雰囲気っていうのは、……その馬鹿な劇をやるっていう彼らの

クラスのせいでもあるんだが……。

「いやぁっ、かわいい!!まさしく、お姫様っ!!」

「いよっ、白雪姫!!」

女子に友人にかわいいだの姫だのとはやしたてられているのは山田

さすがに胸元の開いたもの、足が零れるミニスカートではないものの、

ふわふわとレースの揺れるドレスに身を包んだ山田は、

お世辞なんか使わなくても美人だった

とは言っても……

「まるで七五三だな」

「せ、先生……!し、しーっ!」

担任の呟いた言葉通り、まるでそれは小さな女の子の精一杯のおめかしといったところだ

まあ、ロリコンのオジサンなら鼻血・妄想・犯罪の保証付だろう

「……ステキ……やっぱり、素材が違うのよ、素材が……」

「うわ……まるっきり王子様……」

女子にため息、友人に呆れられているのは中山

さすがに青と白の縦縞の入ったかぼちゃのパンツは穿かなかったが、

まるでベルバラのオスカル風のきんきらきんの装飾を着けたその軍服は……

「おい、俺は王子様衣装を頼んだはずだぞ、何だそのオスカルみたいな――」

「し、しーっ!先生、声大きい!」

担任の呟いた通り、まるでも何も、あれは軍服だ

まあ、王子様も白い手袋なんぞをしているが……きっと、担任の想像では

かぼちゃパンツがぴったりだったんだろうな……

しかし、これはこのクラスの女子たちの強い希望からなったことなのだ

例えオスカルだと言われようとも、中山はこれを着なくてはならないのである

「俺、やめたい……」

「堪えろ山田、この恥は劇で終わりだ」

珍しく勇気付けてくれる中山にちょびっとだけ感謝しつつも、

山田はいつものように口を尖らせた

「ふ、ふん……お、俺だって一時の恥くらい耐え忍んでみせるさ」

 

「それでは、三年生最後の恥さらし……失礼しました(笑)最後の思い出となる

『白雪姫~君を月に帰せはしない』(笑)ど、どうぞ(笑)ご、ごらんくださ……(爆笑)」

おもむろにブザーが鳴り、幕が開く

 

鬼に追われながらもやっとのことで辿りついた舞踏会場(いきなり城の場面)

その中ではきらびやかな衣装に身を包んだ人々が優雅に盆踊りを踊っていた

やぐらの太鼓も絶好調に良い音たててます

そんな血や汗の涌き出る盆踊り会場に白雪姫は戸惑っていました

「どうしましょう……私が着ているのはこんなヒラヒラのドレスだわ……」

そんな時、魔法使いだと称するババアがのっそり近づいてきました

「ヒヒヒ……ちょいとそこのお嬢さん……、私が良いものをプレゼントしましょう」

「悪徳販売には気をつけなさいって、お父様が……」

しかし、白雪姫はババアの持っている物に興味をそそられているようでした

「ヒヒヒ……何、ただのリンゴだよ……」

「そ、それで一体どこが良いものなの?」

白雪姫はリンゴより良いものはいくらだって食べています

「ヒヒヒ……お前さんは姫だからいけない、何もわかっちゃぁいないね」

「あら、失礼ね。私だって結構物知りよ」

「ほう……、でもさすがにこのリンゴは知らないだろう」

「新種のリンゴ?」

「いいや、いいや!新種も何も……、ま、まあ、一口食べてみなさい……」

「一口でコロリなんてこと、ないでしょうね?」

「もしものことがあったらレスキュー隊を呼びますよ、ささ、どうぞ、お嬢さん」

今まで鬼に追いまわされていた白雪姫は丁度、小腹がすいていました

それに、ババアの差し出したリンゴの何とおいしそうな色艶でしょう!

白雪姫は知らない人からお菓子をもらっちゃいけませんよ、というお母様との約束を

追い払ってリンゴに齧りつきました

「まあ、何ておいしいのかしら……!」

すると、(舞台袖からスモーク)どうでしょう、白雪姫のご自慢のドレスが

瞬く間に阿波踊りの衣装へと変わったのです

「まあ……!」

白雪姫が驚くやいなや、阿波踊りで白熱していた王子様が彼女に振り返りました

(ズキュ―ン――銃声)

王子様はその阿波踊りの衣装に身を包んだ白雪姫に一目ぼれしました

「何てステキな女性だろう……」

ふらふらと白雪姫に近づきたくなった王子ですが、またまたフィーバーする阿波踊りの群集に

一歩も彼女に近づくことができませんでした

そうこうするうちに、白雪姫の変身はとけ、もとのドレス姿に戻りました

「まあ、ひと齧りでそんなもんさ」

と、ババアはそれだけ言い残すと人ごみの中に消えてしまいました

こんな便利なリンゴならいくらでもほしいと思った白雪姫は慌てて

ババアを追いかけようとしました

「待って、私にもう一つリンゴを……!」

と、その時転んでしまった白雪姫、(わざとらしく)靴が脱げてしまったようですが、

彼女はまったく気付かずにババアを追いかけました

そこで、ようやく王子様が白雪姫のいた場所に辿りつきましたが

どうしても彼女をみつけることができません、しかし

「おや、これは……もしや?」

王子様は、小さなガラスの靴を手に、もしやまさかの期待に鼻の穴を膨らませました

 

ババアを追って外にまで出てしまった白雪姫は突然、いいことを思いつきました

「そうだわ……!」

そうして、一口二口とリンゴを齧り……

そう、彼女は狼にでもなってババアを追いかけようと思ったのです

ところが

「うっ……!」

急いでリンゴを食べたために、彼女はリンゴを喉に詰まらせました

「うっ、うっ……!」

白雪姫は苦悶の表情を浮かべながら、その場でコロリと倒れてしまいました

するとそこへ、パカラパカラと馬を走らせていた王子様が通りかかりました

彼はいてもたってもいられず、彼女を探し始めていたのです

「なんと……!」

彼は倒れている白雪姫を見て、鼻の穴をひくつかせました

青白い顔で倒れてはいるものの、一目見たとおりの美しい顔立ちです……!

王子は生死を確認するも何も、勢いで彼女を掻っ攫っていきました

 

王子様は心配する両親に牙をむきながら寝室に白雪姫を運びました

うっかり落としてしまわないように、そーっとそーっと白雪姫をベットに横たえます

「ああ、何て美しい人だろう……」

王子様は、我慢しきれず姫の身体に飛び乗りました

「ああ、やっぱり想像通りの美しさだ……」

うっとりとしながら、王子様は白雪姫の唇に―――

(ガゴンッ――たらいが王子の脳天直撃)

そう、王子様は白雪姫の唇をおいしそうに貪りました

ああ、白雪姫がちょっと暴れていますがあれは痙攣しているだけなのでご心配なく

ええ、そうです、ただの痙攣です……!

この場面では彼女は失神しているんですから……

ちょっと白雪姫、おとなしくしてなさい!!

 

「お、おえええ……」

舞台袖でげぇげぇいっているのは山田こと白雪姫

「仕方ないだろ……、あのタイミングで落ちてきたら必然的に……」

「だからって舌まで入れるな!……う、お、おぇぇぇ……」

山田は先ほどの場面を思い浮かべてさらに気分を悪くした

リハーサルでは頬をかすめる程度だったはずのキスが、

どういうわけが舌までいれる長時間のディープキスにすりかわっていた

それも、たらいのせいだと中山は言うが、山田はどうも信じることができない

「絶対あれ、俺への嫌がらせだろ!」

「どうしてそういう解釈すんだお前……」

「だ、だって、だって、俺……あれ、は、」

「…………何だよ?」

「ううう……、う、お、おええええ……」

 

それでも焼肉食べ放題がかかっているだけに、山田は劇をやめるわけにはいかなかった

例えあれが初めてでも、例えあれが天敵の中山とのキスでも、

や、焼肉のためだ……すべては焼肉のためなんだ……!

鳥肌を立てながらも山田は、後半も演技してみせた

「いけません……、王子様……私は……」

「ふふふ、よいではないか」

「いえ、いけません王子様、私は――」

いやいやと首をふる山田姫に、中山王子がにじり寄る

観客は手に汗を握り、ごくりと唾を飲みこんだ

と、そこへ、ぐらりと足元が揺れる程度の地震が起きた

一時、会場はざわついたが、どうやらそのくらいの地震ですんだらしい

ほっと息をついた、その時

中山の耳に、金属の擦れ合う嫌な音が響いた時

山田の目の前、観客、クラスメイトの目の前で

照明が中山を直撃した

あっという間に倒れてしまった彼に、誰もが沈黙した

ようやく、それが重大なことだと気付いた時には、

ステージ上に中山の血が流れはじめていた。

 

照明は中山の背中を直撃したが、命にかかわるようなことではないらしい

そんな説明を医師から聞きながらも、山田は涙にまみれたぐしょぐしょの目で

今だ眠りつづける中山を振りかえった

あの後、急遽劇は中止され、三年生最後の文化祭は重苦しい雰囲気の中で幕を閉じた

中山は、もう三日も眠りつづけている……

恐らく、滅多にない衝撃のせいで精神的ショックを受けているのだろう

しばらく、落ち着くまでは、そっとしておこう

担任は珍しく、生徒を気遣う言葉で、見舞いに向かおうとする生徒を引きとめた

しかし、山田はそんな言葉に頷かなかった

もしも、と、思う

もしも、あの時もう少し劇を早くすすめていれば、中山はあの位置に立つことはなかった

そう、自分が、たかが中山とのキスでゲロなんかを吐いていなければこんなことには……

山田は、面会謝絶と言われてもめげることなく、会わせて欲しいと何度も頼み込み、

ようやく家族からも医師からも渋々といった形で、それを了承してもらえた

 

中山は、三日前と変わることなく、物静かな顔で眠っていた

その穏やかな顔を、山田は見下ろす

いつも、どういうわけか、中山といがみあってしまう

どうしてか、喧嘩しなければ、気が済まない

それでも、と、山田は思う

もしもこのまま中山の目が覚めなかったら、自分は悲しむのだろう

山田は、音をたてないようにベットの側に椅子をひいた

物言わぬ彼を見下ろしていると、涙が零れてきそうだ

「中山……中山……」

彼の名を呟く山田の目から、惜しげもなく涙が溢れてくる

もしも、もしも、もしも

そんな恐ろしいことばかりが過ぎって、まともに中山の顔を見ることが

できない

「山田?」

聞き覚えのある声だ

「何、泣いてんだ……お前?」

聞き覚えがありすぎる、声だ

山田は、恐る恐る顔を上げて、そこにばつの悪そうな顔をした中山を確認した

それは、三日前と寸分違わぬ、中山だった

「……中山!」

山田は、嬉しさの衝動から中山に抱きついた

「お、おい……山田……?」

「よ、よかった……よか……ううっ」

「山田……」

山田は、必死にその身体で中山の生を実感していた

ああ、中山は生きている

中山は、生きているんだ……!

そんな、懸命にしがみついてくる山田に、中山は顔を赤くした

自分の身に何が起こったのかは、よく覚えていないが

この態勢は……、なんという……、たまらないものだろうか

思わずそのまま山田をその場で押し倒してしまいたい衝動を抑えて、

中山はそっと山田の顎を持ち上げた

山田は、目にいっぱいの涙を浮かべて、中山の目をじっと見つめた

二人は、静かに唇をあわせた……



「……何かおかしくないか?」

「何が?」

中山は山田を膝の上に乗せてにこにこしている

「いや、……だって……何で……」

何で俺たちはキスをしたんだ?

おかしい……、中山と俺はいがみ合う仲だったはずで……

その時、また中山がそうっと山田の頬に指を触れてきた

びくりと肩をすくませた山田に、彼は優しく微笑む

「お前、気付けよ」

「は?」

「いい加減、気付けって」

「だから、何だよ……何言ってんだよ……」

「気付けって」

中山は優しく微笑んでいるはずなのに

なのに

何か、怖い……

「だから何だよ、わけ、わけわかんねぇよ……」

涙目になって中山の腕から離れようとする彼を、

中山は離さなかった

「気付けよ、俺お前のこと結構前から狙ってたんだぜ?」


病室の外でカメラを携えた担任がニヤリと笑む

「あとは濡れ場さえ録れりゃぁ、金になるんだが……」

「せ、先生……教師としての自覚を持ってくださいよぉ」

委員長は彼の腕を掴んで、病室から引き離そうとする

「ふ、教師だって人間、金ぐらい必要になるさ」

「そうじゃなくってぇ……」

「……じゃあ、お前を録るか?」

委員長は真っ青な顔で首を勢いよく左右に振った

「だったらおとなしく見てろ」

作者のホームページへ「楽しいひとときでした。」
...2004/9/18(土) [No.127]
K-E
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