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「お届け便」


扉を開け、勝手知ったる事務所ということで書類を所定の場所に置いてサッサと帰る予定だった。

事務所にいる人間は忙しそうに働いていて、

「ありがとうございます」

と言葉だけで愛想がない。

そんなことを気にしているほど若くもなく、「じゃあ」と回れ右をしたところだった。


「洋(ヒロム)、遅いよ」


帰ろうとする男の腰に、ガシッと腕が回される。


「なにが。別に急ぎの書類じゃねぇってことは聞いてる」


洋と呼ばれた男は特に驚くことはなかった。
ただ、”見つかったか”と心の中で呟き、大きくため息をついたのは間違いなかった。

洋、こと小野洋(オノ ヒロム)は性別:男。
ガッシリとした身体と、それに見合った厳つい顔。
それがそのまま彼という人物を物語っている。

一見して誰もが彼を普通の人間とは思わず、ヤクザか・・・そうでなくてもそれに近いモノを想像するだろう。

確かにその見解は間違いではない。
洋は一度は”塀の向こう側”というものを経験している。

ところがそんなアウトローなはずの洋だったが、今は洋を両腕でホールドしている人間と暮らしている。

その人間の名前はは赤城充(アカギ ミツル)。
こちらも性別は男性。
背は心もち洋より低く、体型もスリムといえるこちらは職業を弁護士という洋とは対照的な人物だ。

基本アイテムはメガネ。
そして、特徴的なのは冷たいまでにその顔に表情がないことだった。

洋に掛ける言葉は確かに雄弁と言えるが、その表情には笑みも浮かんでいなければ何の感情も読みとるのが難しい状態。

元は検事をしていたこともあり、その感情ゼロな顔は仕事柄有効なモノだったのだろうと窺える。


そんな対照的な2人、実は恋人関係・・・らしい。


「洋、そんなに急いで帰らなくてもいいんじゃないかな」

「俺は早く帰りたい」

「どうして」

「夕方近くには連絡が入る」

「そんなの、携帯に掛かってくるだろ」


洋はいっこうに扉の前から動こうとしない。
そして、赤城はそんな洋を捕まえたまま自分の腰を擦りつけている。

事務所自体は『赤城法律事務所』という看板を掲げていることからも分かるように、赤城自身の事務所だった。

現在、他の仕事で席を外している人間がいるものの事務所は2人きりではない。

従業員が3名いるものの、2人のやり取りには見て見ぬ振りをしている。
それが自分の身を守る為だと知っているからだ。

また弁護士の彼氏を持つ洋はといえば、その恋人の事務所では働いてはいない。

洋には赤城とは別に雇い主がいる。
その雇い主のお陰で、洋は赤城と出会うことになったのだが・・・

そんな洋の仕事と言えば恋人のいる法律事務所に1日に1~2回、雇い主からの書類を届けること。

最初はそれだけだった仕事内容だったが、最近は仕事が1つ増えた。
夕方5時以降は雇い主の恋人を護衛する(ただし、本人には知られないように)こと。

さらに、その雇い主はといえば人使いが荒く、唐突に連絡を寄こすことも少なくない。
だからこそ、本当の雇い主からいつ連絡があるか分からない為に洋は自分のオフィスに戻りたがるのだった。

オフィスと言っても崩れかけた古ビルの1室で、従業員は洋以外にいないのだが・・・


「洋、3時間ぶりに会えたっていうのに冷たすぎる」

「冷たいとか熱いとか・・・」


洋はホールドされた状態からどうにかして逃げだそうともがくが、どこにそんな力が秘められているのか全く身体は自由になら
ない。


「分かった。洋は3時間も俺に会えなくて拗ねたわけだな」

「・・・おい、拗ねるわけねぇだろ。

いつもながらどんな発想だ」

「そうだよな、洋の淫乱アナルがこんな時間まで我慢できる訳がない」

「おい」


赤城は片手で洋を固定させた状態で、ゴソゴソと洋のズボンの中へともう片方の手を進入させていく。


「ちょ、お前こんなところで」


洋は触られまいと腰を揺らして逃げようとするが、


「洋・・・そんなに腰を振って・・・我慢できないのは分かるけど」

「我慢できないって、俺はどこまで色狂いなんだよ」

「どんなに洋のアナルが俺のペニスをくわえ込むのが好きでも・・・

俺は洋の可愛いアナルに傷を付けたくないから」


赤城は全く見当違いのことを話す。
そして、2人の会話は全くと言っていいほど噛み合ってはいない。

付け加えれば、あくまでも2人が立っている場所は事務所入り口。

事務所で仕事をしている従業員達は見ざる聞かざるを徹底し、存在を消すことに必死だった。


もしここで声でも掛けようものなら


『もしかして君、洋に気があるんじゃないだろうね。

俺の精液を両方の口で毎日たくさん飲んでる洋だから、君達にとってはフェロモンが強すぎるかもしれない。

うっかり洋に触りたいとか、セックスしたいとか思っても仕方ないかもしれない。

だからって木苺みたいなペニスも、甘くて濃厚な精液の一滴も、普段は慎ましいのにセックスの時は貪欲に俺のペニスを咥えこ
もうとするアナルも・・・

洋の欠片だって譲る気はないから。

もし、俺から洋を奪おうなんて考えてるんだったら・・・消すよ』


そんな言いがかりをつけられる事態になる。

洋が来る度に仕事がストップしてしまうことを懸念してのことが、更に仕事が滞ることになってしまう。

そのため、やたらと事務所の人間は洋に素っ気ない態度となるし、赤城に見つかる前に退散してもらいたいというのが本音だ。


「俺は・・・ちょ、帰る・・・」

「そんなこと言って、俺を煽るつもりなんだろ。

ほら、洋の泣き虫なペニスだってもう・・・」

「しゃ、喋るな」


赤城をそのまま放っておくと、卑猥な言葉のオンパレードが続くことを洋は知っている。

2人だけの時でも恥ずかしいというのに、他人がいる場所で言われるとなると、洋は穴を掘ってそこに身を隠したくなる程だった


しかし、そんな洋の気持ちは赤城には伝わらず


「分かってる。喋るよりも、手を動かせだろ」

「・・・な」


そう言うと、赤城は後ろを探っていた手を前へと移動させる。


「やっぱり、洋のペニスは泣き虫だ。
俺の手が欲しくってこんなに涙を流してる。

ほら、聞こえるだろ」

「ぃ・・・ぅうう」


洋は変な声を出さないようにと、唇を噛みしめている。
しかし、下半身から漏れるクチュクチュという音は消せなかった。

よっぽど近くにいないと聞こえない音だったが、


「こんなに大きな音だと、他の人間にも聞こえるかもしれない」

「バカか、おま・・・」


そうと分かっていても、耳元でそんなことを言われるとつい洋は身体を固くしてしまう。

赤城も洋の変化を敏感に感じとり、


「また露が溢れてきた・・・もしかして洋は他の人間に聞かせたいの」

「そんなわけ・・・」

「残念だけど、誰にも洋を分けてあげないから。

洋の身体も、体液も、爪の垢だって俺のモノだ。

さ、こんなとこにいると洋のフェロモンにやられる人間が出てくるかもしれない」


変な理屈を披露すると、赤城は洋を引きずるようにして部屋の中ほどにある扉を開けて消えていった。

洋はすでに抵抗するのを諦めるしかなかった。
ここで反抗すれば、後々大変になることを十分理解していたからだ。

そして残された従業員達は、ようやく肩の力を抜くことができた。


「ようやくご対面だ」

「ちょっと・・・」


一方、扉の向こう側では洋と赤城との愛の交歓が行われようとしていた。


「今は昼間だから、さっぱりした柑橘系でいいだろ」


洋は部屋に連れ込まれるとすぐに、いつも赤城が使用している机に両手をつかされる。

そして性急に穿いていたものを膝まで下ろされた。

外気に晒された下半身に洋は


「ふぁっ」


とつい声を上げてしまう。


赤城はそんな洋の声に驚くこともなく、逆にゆっくりとした仕草でもって洋の双丘に手を這わせる。


「うん、手触りも良好。
俺の手を待ってたって感じだ。

毎日欠かさずマッサージしているからな」

「何言ってやがる」

「タンパク質たっぷり、俺の特製ザーメンパックが効いてると思うんだけど」

「・・・・お前」


赤城は言いながら、手にしていたオイルを垂らす。


「ひっ・・・いきなり、は、やめろ」

「うん、今はレモングラスのすっきりした香りがいい」


洋の訴えは見事に無視され、オイルが双丘にたっぷりと塗り込められていく。

オイルの滑りを借り、赤城の手は自由に動き回る。

太腿を撫でていたかと思えば、時々いたずらに洋の後腔を掠めていく。

ツプっと入り口に指を引っかけるが、すぐに離れていく。
そしてまた際どい部分を手が彷徨う。


「うっ・・・んん」


洋の後腔は無意識に収縮を繰り返し、赤城の指と目を楽しませてしまう。


「洋の欲張りアナルは俺の指が恋しいみたいだ」

「・・・くっ」

「それとも、もっと別のモノが食べたいのか」


赤城は言いながら、不意に指を2本グッと潜り込ませる。

洋の後腔は思いがけない責めに反射的にキュッとそこを窄める。

赤城の指はそんな洋の後腔の抵抗を楽しむようにして、決して奥まで潜り込ませることはしない。

グッと指を襞の入り口に引っかけては左右に広げるようにする。


「ふ、ふ、ぅんん」

「こうすると中まで見える。
奥は暗いけど、手前は暗褐色で旨そうな色をしてる。

本当に食いたい・・・」


赤城は中を観察し、おもむろにフッと冷たい空気を送り込む。

洋はビクビクっと身体を震わせる。
後ろだけを弄られている状態で、洋の男性器は極限までに固くしていた。

ポタポタと床に雫を落とし、すでにいつでも射精できる状態になっている。

そして赤城は洋の下半身がどんな状態なのかを知っていながら、決して最期の刺激を与えることはしなかった。


「さあ、メインディッシュだ」


そんな言葉と共に、赤城は何の前触れもなく洋の後腔に自分のモノを挿入する。

指で解されていたのは入り口の周辺だけ。
しかし、赤城は一気に奥まで侵入させた。


「ぅあっっ」


洋は声にならない声を上げると、前から勢いよく飛沫を放った。


「後ろの刺激だけで射精したな。

中も喜んで、俺にまとわりついてる」


赤城の侵略を受けた洋の中は、一瞬だけその衝撃に収縮し、異物を出そうと動きを見せる。
しかし、赤城だと認識した途端、ウネウネと逃がさないように動き始める。

赤城はといえばその緩慢な動きを堪能するように、両手で双丘を固定したまま動こうとはしなかった。


「ぃ・・・」


小さく呟いた洋の言葉に赤城は聞こえないふりをする。

中はますますウネるように赤城に絡んできていた。
最初の刺激は過ぎ去り、新たな刺激を求めているのは明らかだった。


「洋のココはやっぱり欲張りな淫乱アナルだな」


その時には洋の身体が赤城の手の中でゆっくりと動き始めていた。

自覚があるのか、それとも無意識の動きなのか洋の動きを確かめながら赤城は目の奥で笑っていた。

表に出ている表情は変わらず、”無”だったが1年以上の付き合いがある洋には赤城のそんな無表情の中からも表情を読みとるこ
とができるまでになっていた。


「ぉい、も・・・」

「分かってる」


それが合図だったかのように、赤城が焦れったいほどゆっくりと律動を開始しようとした。


「・・・・電話だ」


しかし、そんな2人の情事を責めるかのように携帯が電話に出ろと急かすように鳴り響いた。


「出ろ、よ」

「こんな時に不躾な電話に出る必要は・・・」

「出ろ」


洋がそう言うと、渋々という感じで赤城は携帯の通話をONにする。

「もしもし」という前置きはせず、

「まだ洋の出勤時間には時間が残ってるはず」

といきなり話し始める。


「ちょ・・・お前・・・ぅああ」


そして、赤城は洋の腰に空いている手を固定するとさっきまでよりも深めに腰を進めていく。

洋は急に襲いかかってきた波に飲み込まれるように、声を上げてしまう。


「どうして通常業務から離れることになるのか教えてくれるんですよね」


赤城の声は冷静としか言いようがないが、洋には赤城がほんの少し会話を面白がっているように感じた。


「は・・・ぁ、あ、・・・出る、出るって・・・」


洋はますます追い込まれていき、目の前の机にしがみつく手に力が入る。

赤城は携帯で話しながらも、洋の耳元で


「イイ声を聞かせてあげて」


と小さく呟いた。


「ひぅ・・・んんん、ぁっ」


赤城と携帯の相手は話し続けていたが、もう洋には何を話しているか理解することはできなかった。


「・・・交渉成立ってことで」


ただ、赤城の電話が終わった途端


「洋。今日は1日、心おきなくセックスできることになったよ」


淡々と言いながら、洋の身体を激しく蹂躙した。

そして、もはや洋に拒否権は残されていなかった。





※ あとがき ※
45万hit小説・・・というか、電話の裏側ではこうなってましたという話でした。

ちなみに、このお話はサイト紹介の見本小説みたいな感じで登録してる場合があります。
そのために2人の紹介文もチラッと入れてみました。

この2人はサイトの「真実の彼」という話が元になっております、
ので、馴れ初めが見たい人はどうぞ見てみてください。

それでは、少しでも皆さんの息抜きになったなら幸いです。


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